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 ボーランドは2001年11月13日,(1)Java開発ツールの新版「JBuilder 6」と,(2)Webアプリケーション・サーバー(APサーバー)の新版「Borland Enterprise Server」,(3)Linux上で稼働するビジュアル開発ツールの新版「Kylix 2」を発表した。出荷開始は,「JBuilder 6」と「Borland Enterprise Server」が2001年12月21日,「Kylix 2」が2001年12月12日。JBuilder 6とBorland Enterprise ServerはJavaの開発ツールと実行環境で,それぞれJ2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition) 1.3とEJB(Enterprise JavaBeans) 2.0に対応している。Kylix 2はWebサービスやWebアプリケーションの開発支援機能を強化した。

 JBuilder 6の主な新機能には,(1)EJBプログラムの開発支援機能「EJBデザイナ」,(2)既存プログラムの修正を容易にする機能などがある。また,新版からEJB 2.0に対応し,対応するWebアプリケーション・サーバー(APサーバー)に米iPlanet E-Commerce Solutionsの製品を加えた。

 (1)EJBデザイナは,EJBコンポーネントを視覚的に分かりやすいモデル図で表示し,モデルとソース・コードを双方向に変換しながら開発ができるようにする機能。これにより,これまでコードを記述するスタイルが主であったEJBベースの開発が,ビジュアル的に行えるようになる。モデルにはEJBコンポーネントのメソッドなどが表示され,モデル上でメソッドを追加したりするとソース・コードにも反映される。(2)既存プログラムの修正を容易にする機能には,「UML(Unified Modeling Language)モデル表示」機能と「リファクタリング」機能がある。UMLモデル表示機能は,既存のJavaのプログラムからUMLで定められた図を表示する機能。一方のリファクタリング機能は,クラスやメソッドの依存関係を把握した上で,それらの名称変更などを一気に行うことができる機能である。

 JBuilder 6の製品構成は,(1)JavaサーブレットやJSP(JavaSever Pages)ベースの開発に適した「JBuilder 6 Professional」(6万8000円)と,(2)EJBやCORBA(Common Object Request Broker Architecture)ベースの開発に適した「同 Enterprise」(36万円)からなる。そのほか無償版の「JBuilder 6 Personal」があるが,これは学習用の製品で商用のアプリケーション開発には使えない。2002年1月中旬から同社のWebサイトを通してダウンロードできるようにする予定である。稼働OSは,Windows NT 4.0/2000/XP,Linux,Solaris。対応するAPサーバーは,同社のAPサーバー「AppServer 4.5」と新製品の「Borland Enterprise Server」,米iPlanet E-Commerce Solutionsの「iPlanet Application Server」,米BEA Systemsの「WebLogic Server 5.1/6.X」,米IBMの「WebSphere Application Server 3.5/4.0」。

 APサーバーの「Borland Enterprise Server」は,同社が従来から提供していたAPサーバー「AppServer」とCORBA製品「VisiBroker」の後継製品。新版では名称を改めた。特徴は,(1)EJB実行環境を持たない製品を安く提供していることと,(2)開発ツールであるJBuilderとの相性の良さである。Webサーバーには「Apache」を,サーブレット・エンジンには「Tomcat」を採用している。製品構成は,(1)JavaサーブレットとJSPの実行環境を備える「Borland Enterprise Server Web Edition」(実行ライセンスは6万8000円,開発ライセンスはJBuilder 6 Professionalに同こん),(2)(1)にCORBA環境を追加した「同 VisiBroker Edition」(実行ライセンスは60万円,開発ライセンスは20万円),(3)EJBの実行環境を備える「同 AppServer Edition」(実行ライセンスは150万円,開発ライセンスは20万円)からなる。JBuilder 6 Enterpriseには,同 AppServer Editionの開発ライセンスが含まれる

 Kylix 2は, Pascal言語をベースにした,Linux上で稼働するビジュアル開発ツール。Windows上で稼働する同社のビジュアル開発ツール「Delphi 6」のLinux版に当たる。Kylix 2とDelphi 6のコードには互換性があるため,再コンパイルすることでWindowアプリケーションをLinux上に移行したり,逆にLinuxからWindowsへ移植したりすることも可能。Kylix 2の新機能は,Delphi 6の新機能とほぼ同じ。(1)Webサービスに対応したアプリケーションを開発する機能「BizSnap」や,(2)Apache対応のCGIアプリケーションをビジュアルに開発する機能「WebSnap」,(3)多階層の分散システム開発を支援する機能「DataSnap」---などが追加された。

 製品構成は,(1)基本機能のみの「Kylix 2 Professional」(6万8000円)と,(2)新機能のBizSnap機能やWebSnap機能などを含む「同 Enterprise」からなる。そのほか無償の「同 Open Edition」があるが,これはGPL(General Public License)ベースのオープン・ソース・プロジェクト向けの製品である。稼働環境は,kernel 2.2以降,glibc 2.1.2以降,libgtk.so 1.21.2 以降。

松山 貴之=日経オープンシステム)