東芝テックは,米Microsoftの開発ツールVisual Studio .NET(VS.NET)にアドインする開発機能と.NET Frameworkを補完する実行機能を備えたWebアプリケーション・サーバー「CrossMission」を4月下旬に出荷開始する。

 同製品は.NETでの大規模な業務アプリケーションの開発/実行に特化している点と,ミドルウエアとしての各種機能を用意することで開発者はビジネス・ロジックだけを記述すればよいことが特徴。Visual Basicのスキルがある開発者が,CrossMissionと他社製Webアプリケーション・サーバー(APサーバー)のそれぞれで社内システムのパイロット版を作成したところ「CrossMissionの開発効率が2倍になった例もある」(東芝テック 流通情報システムカンパニー 大仁事業所 技術管理部 技術企画担当 技術管理主査 平野和順氏)と言う。

 開発機能は,VS.NETにアドインする。初期化/終了処理/リソース管理などのプロセスの基本構造や共通機能をカプセル化したクラス・ライブラリ,VB.NETやC#のプロジェクト作成などのウイザード,カレンダ・ボタン・コントロールやヘルプ・ボタン・コントロールなどのGUI,などを備える。

 また,.NET Frameworkを補完する実行機能には,各プロセス間のやりとりを集中管理/代行する「メッセージングエクスチェンジャー」,1つの業務処理を複数のプロセスやスレッドが行う場合に実行順序を独自スクリプト言語で記述できる「フローコントローラ」などを備える。さらに,スレッド同時実行数の制御やキューイング,サービス停止自動検出機能などを備え,「業務アプリケーションの実行に必要な堅牢性や耐障害性も備えている」(平野氏)と言う。

 価格は開発者ライセンスが19万8000円から。運用ライセンスのクライアント無制限型が60万円から。また,運用ライセンスのクライアント制限型がサーバー1台当たり5万円,クライアント1台当たり6000円から。同社では直接販売は行わず,シーイーシーが販売を行う。

井上 英明=日経オープンシステム)