サン・マイクロシステムズは2002年7月25日,Liberty Allianceに対応するシングル・サイン・オン製品の発売時期を明らかにした。製品名は「Sun ONE Identity Server 6.0」で,2002年末の国内発売を予定している。

 Liberty Allianceはマイクロソフトの.NET Passportに対抗するシングル・サイン・オン技術。サン・マイクロシステムズやソニー,ユナイテッド航空などが参加する「Liberty Alliance Project」が現在,仕様の策定作業を進めている。同Projectは7月15日にLiberty Allianceバージョン1.0仕様を発表したばかり。

 Liberty Allianceでは参加する企業がそれぞれの顧客のユーザーIDと個人情報を管理し,参加企業間で認証することによりシングル・サイン・オンを実現する。マイクロソフト1社がユーザーIDと個人情報を管理する.NET Passportとはこの点が大きく異なる。

 サン・マイクロシステムズの末次朝彦・取締役は,「1人に管理されていて良いのか。“囲い込まれ”から我々自身を解放することが必要だ。例えば,メインで使っている銀行を変えるときには相当の努力を必要とする。給料の振込先を変える,クレジットカード会社へ連絡するなどかなり面倒くさい。結果として,ある銀行に囲い込まれることになる。これと同じことが.NET Passportについてもいえる。これからネットワークが進化してゆく中で,マイクロソフトに囲い込まれていて良いのか。我々はこうした“囲い込まれ”に対抗するためにもLiberty Allianceを強力に推進していく」と説明した。

(武部 健一=BizTech編集)