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総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部
消費者行政課の池田知史 課長補佐

 8月4日、総務省がこの10月にも、個人情報に関するガイドラインを改正することが明らかになった。携帯電話・PHS事業者が迷惑メール送信者の情報を共有できるようにすることが狙い。

 迷惑メールの送信者は、いくつもの携帯電話会社やPHS会社と渡り歩いて契約→送信→利用停止を繰り返しながら送信を続ける。今回の改正では、利用停止となった加入者の情報を事業者間で共有することでこうした「渡り」行為を防ぎ、迷惑メールを減らすのが目的だ。

 今回の改正までの背景などを、総務省総合通信基盤局の池田知史氏に聞いた。

■改正に至った経緯は?

 ある事業者が約款に基づいて利用停止にした迷惑メール送信者が、別の事業者に乗り換えて大量送信を続けるという、いわゆる「渡り行為」が問題になっているためです。携帯電話・PHS事業者が利用停止措置に踏み切っても、なかなか効果を上げられないのが実情です。事業者からは「“渡り”を防ぐために、事業者間で利用停止措置を講じた加入者の情報を共有したい」という声が昨年から挙がっていました。

 ただ、共有する情報は個人情報なので、事業者の約款だけでなく、個人情報保護法や総務省が公開している個人情報の取り扱いに関するガイドライン上も問題ないようにする必要があります。

 そこで総務省では、「電気通信事業部分野におけるプライバシー情報に関する懇談会」で、具体的なガイドラインの改正内容について検討してきました。3回の懇談会を経て方針が固まったため、今回、改正を決定しました。

■具体的にはどのようなものが利用停止の基準となるのか。

 利用停止措置を取る基準は携帯電話・PHS事業者の判断によって異なります。ちなみに約款上、利用停止措置を取る際には、その加入者に対して事業者が告知をして、不服がある加入者は申し立てができるようになっています。

■ガイドラインの対象ユーザーや、具体的に共有される情報はどんなものになるのか。

 総務省のガイドラインでは、新規の加入者だけでなく、既存の加入者も対象になります。既存ユーザーには、ガイドラインに関する加入時の告知ができないので、パンフレットやWebサイト、請求書にお知らせを同封するなどさまざまな方法で周知を進めるように働きかけていきます。

 具体的な情報共有の内容・仕組みや、セキュリティ上の規定などの詳細なオペレーションに関しては、総務省のガイドラインとは別に、電気通信事業者協会(TCA)で規定を作成する予定です。

■来年春に開始ということだが、実際に運営されるまでのスケジュールは。

 今後は、8月8日から総務省のガイドライン改正に関するパブリックコメントを募集し、9月の上旬に締め切ります。その内容を反映して10月初めに改正ガイドラインを告知する予定です。実際に情報共有の仕組みが運用されるのは2006年春からの見通しです。

(聞き手・仙田明広、田村奈央=日経パソコン)