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 米Acucorpが開発し,日本語版を東京システムハウスが販売しているUNIX/Linux/Windows用のCOBOL開発ツール「ACUCOBOL」の新版,バージョン6(extend6とも呼ぶ)の概要が明らかになった。米国で2003年5月に出荷を始め,日本での出荷は同年夏から秋になる見込みだ。改良点は,(1)メインフレームのデータをそのまま移行できるファイル・システム「Vision 5」(現行バージョンは4)の搭載,(2)XML(Extensible Markup Language)とWebサービスのサポート,(3).NET対応だ。

 Vision 5では,COBOL言語におけるデータ・アイテム(他言語で言えば変数に相当)のデータ制限が64KBであったのを撤廃し,レコード(構造体に相当)の1データの最大の大きさが32KBであったのを64MBに拡張した。ファイル・サイズの上限が2GBであるという制限も撤廃した。メインフレームやミニコンピュータのシステムをUNIX/Linux/WindowsにACUCOBOLで移植する場合,データ・サイズの制限が問題になることがあったが,それを解消できるという。「COBOLに,もはやデータの大きさの制限はないと言ってよい。メインフレームのシステムをそのまま移植できる」(米AcucorpのDavid Thompsonテクニカル・ソリューションズ・コンサルタント)。

 XMLは,バージョン6の最初のリリースから扱えるようになる。「xml2fd」というユーティリティを使うとXMLデータからファイル節の記述,入出力節のSELECT文などを生成してくれる。それを自分のコードにコピーすればXMLデータの読み書きをするCOBOLプログラムができるというわけだ。Webサービスにおいては,当面米Transoftの「Component Adapter」と呼ばれるソフトを使ってCOBOLによるWebサービス作成を可能にする。ただ,将来的にはAcucorp独自の形で「より簡単な」(Thompson氏)Webサービス作成法も提供する計画だ。

 .NETについては,バージョン6.0には間に合わないが,その後のリリースで,米MicrosoftのCLR(Common Language Runtime)上で動くACUCOBOLランタイム環境を提供する。これを提供することで,ACUCOBOLの実行ファイルはWindows/CLR/UNIX/Linuxのどれでも動き,ポータビリティを確保できる。AcucorpはCOBOLコードからCLR上で直接動作するコードを生成するコンパイラも研究しているが,「.NET専用のコードを生成することに需要があるのか?」(Thompson氏)という懸念があり,製品化するかどうかは未定だという。

 Thompson氏は「メインフレームの時代から今に至るまで,コンピュータ業界は集中と分散を繰り返してきたが,今のトレンドは分散に向かっている。すなわち,Webサービスによる相互運用性(Interoperability)がポイントだ」と語る。開発言語がC#でもJavaでもCOBOLでも,Webサービスからは逃れられないようだ。

(日経ソフトウエア)