JBuilder 7にはPersonal,SE,Entという三つのエディションがあり,JBuilder 8ではPbdが追加された。PbdはEntにOptimizeit Suiteを追加したものと考えてよい。EntとOptimizeit Suiteを新規購入すると4598ドルになるが,Pbdなら3999ドルで済む。JBuilder 7のパッケージ製品としてはほかにBorland Enterprise Studio for Javaもあるが,JBuilder 8で該当する製品は現時点では未発表だ。Pbdは,JBuilder EntとBorland Enterprise Studioの間に入る製品ということになる。ちなみに現在販売されているBorland Enterprise Studio for Javaには,JBuilder,Optimizeit Suiteのほか,米Rational Softwareのソフトウエア(「Rose」など)も入っており,新規購入で5999ドル(日本語版は60万円)とさらに高価である。
JBuilder 8の改良点は,細かい部分がたくさんある。(1)IDE(統合開発環境)でJ2EE SDKの1.4.1を使う(1.3,1.4のプロジェクトも扱える),(2)コード・インポート機能の強化,(3)複数のプロジェクトを一括管理する「プロジェクト・グループ」の導入,(4)テスト機能の強化,(5)コード編集機能の強化,(6)JBuilder 7では「Web Services Kit for Java」いうアドオン扱いだったWebサービス開発機能を最初から組み込んだ,などだ。IDEでJ2EE SDK 1.4.1を使うようにしたため(JBuilder 7は1.3を使用),JBuilder 8はMacintoshでは動かない。動作対象OSはWindows NT 4.0/2000/XP,Linux/Solarisである。コード・インポート機能では,Enterprise JavaBeans(EJB)のコード,Webアプリケーションのコード,VisualCafeのプロジェクトを読み込めるようにした。テスト機能では,The Jakarta ProjectのCactusを使えるようにした,JUnitでEJBのテストができるようにした,などが変更点だ。コード編集では,コードのフォーマッティング機能を付けた,コードの意味が変わったときのみ検知する(フォーマットに左右されない)差分検知機能を付けた,正規表現での検索を可能にした,行番号表示を付けた,などの改良を施した。
Borlandは,JBuilder 6を2001年11月に発表,JBuilder 7を2002年5月に発表した。JBuilderのバージョンアップは,半年に1度のペースである。開発者が最新版に付いていくのは,コストと習得時間の面で厳しくなってきたかもしれない。
(日経ソフトウエア)