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 Linuxで動作する .NET互換環境を開発しているMono Projectは,新バージョンの0.28をWebサイトで10月1日に公開した。バージョン0.28では,これまでに見つかったバグの修正に加えて,新たにXML Webサービスへの対応機能を実装。具体的には,(1)XML Webサービスが公開するWSDL(Web Service Description Language)を基にWSDLプロキシを生成するコマンドライン・ツール(コマンド名は「wsdl」),(2)HttpGetとHttpPostの両プロトコルへの対応,などである。XML Webサービスには前バージョンの0.26ですでに対応していたが,今回XML Webサービス対応アプリケーションを開発するためのツールを用意したことで,Mono上だけでの開発が可能になった。

 さらにGenericsの実装も,まだ完全ではないが進んでいる。Genericsとは,米MicrosoftがC#言語に実装しようとしている言語仕様で,C++言語のテンプレートに相当する。対応するには,コンパイラだけではなく,ランタイムやクラス・ライブラリにもその機能を実装する必要がある。Microsoftでは,以前から研究開発チームが開発を続けており,2004年に出荷が予定されているSQL Serverの次期バージョン(開発コード名Yukon)に合わせて出てくる次期バージョンの .NET FrameworkとVisual Studio .NETに実装される見込み。Mono Projectは,2003年7月ごろからGenericsの実装をし始めていた。

 GUIライブラリであるWindows Formに関しては,ドキュメントによると「ファイルを開く」ダイアログなどの共通ダイアログボックスも動作するようになったようだ。だが,記者が実際に試してみると,バージョン0.26のときと同様に,必要な関数がWine(X Window System上のWin32 APIライブラリ)のDLLからロードできないというエラーになって動かせなかった。Windows Formには以前から,一部ながら対応しているが,共通ダイアログボックスが動作しなかった。なお,今回のバージョンでも,前バージョンの0.26と同様に,Windows Formを動かすために使われているWineライブラリが,Mono用にコンパイル済みの形で配布されている。

 ほかに,Linux s390用のコンパイル済みパッケージや,WebサーバーのApacheでASP .NETを動かすのに使うMonoモジュールが新たに用意されるようになった。Monoの開発は確実に進んでいる。あとは統合開発環境が用意されれば,Linux上にすべてフリーの .NET開発/実行環境がそろうことになる。

(日経ソフトウエア)