Voice Seriesは富士通が開発したソフトで,「音声合成開発環境V1.1」と「音声認識開発環境V1.1」で構成される。価格はともに5万円。おもにソフトウエア・ベンダーに向けて販売する。作成したアプリケーションを再配布するには,別途ライセンス料が必要となる。
音声合成開発環境は,テキスト・データを男性もしくは女性の声で読み上げる機能をアプリケーションに付加するライブラリ。基本言語辞書には約14万語が登録されており,漢字,かな,英単語などが混在した文章を読み上げることができる。ユーザー言語辞書に単語の読みを登録することも可能。スピードやボリューム,イントネーション,ピッチなども細かく制御できる。i486 66MHz以上のCPUを搭載したPC/AT互換機で動作し,開発時に25MB,実行時に6MB以上のハードディスクの空き容量が必要。
一方の音声認識開発環境は,アプリケーションにマイクから入力した音声を認識する機能を組み込むもの。話者の声を事前に学習する必要がなく,話し手を選ばないことが特徴。一語だけでなく,連続した単語を認識することもできる。APIはIBMが提唱する音声認識用APIであるSMAPI(Speech Manager API)に準拠する。認識精度は同社の調査で90パーセント以上だという。Pentium 90MHz以上のCPUを搭載するPC/AT互換機で動作し,必要なハードディスク容量は開発時に10MB以上,実行時に6MB以上。
動作OSはともにWindows 95/98/NT 3.51/NT 4.0で,サポートする開発環境はVisual C++ 5.0とVisual Basic 5.0。現在富士通のWebサイトから評価版をダウンロードできる。