ソフトボートは9月6日に,カナダDundas Softwareが開発したVisual C++用クラスライブラリ4製品を出荷開始する。具体的には,(1)グラフ作成用のHyperGear/Chart,(2)ダイアグラム作成用のHyperGear/Diagram,(3)多目的コンポーネント集のHyperGear/Toolbox,(4)TCP/IPハンドリング用のHyperGear/TCP/IPの四つ。いずれもソースコードが付属する。当初出荷するのは英語版だが,順次日本語化していく予定という。

 HyperGear/Chartは,数値データをグラフとして表示するもの。円グラフや折れ線グラフといった7種類のグラフを,2次元もしくは3次元で表示できる。メインとなるインタフェース・クラスのCChartCtrlは,MFC(Microsoft Foundation Classes)のCWndから派生しており,MFCアプリケーションのさまざまな場所で利用することが可能。

 HyperGear/Diagramは,フローチャートやオブジェクトの継承関係といったダイアグラムを作成/表示する機能をアプリケーションに追加するために使う。図形間を線で接続するといったダイアログ作成用の基本的な機能に加え,整列やZオーダーの変更,無限回のアンドゥ/リドゥなどをサポートする。ファイルへのセーブや印刷機能も備える。

 HyperGear/Toolboxは,GUIやフレームワーク,データベース,ユーティティ,MAPI,OLE,イメージ,ファイルなど,合わせて200以上のクラスからなる多目的ライブラリ。例えばエディット・コントロールにマスク入力機能を追加するといったことが,付属するCOXMaskedEditクラスをMFCのCEditクラスの代わりに使うだけで実現できる。

 もう一つのHyperGear/TCP/IPは,インターネットでよく利用されるさまざまなプロトコルを扱うためのライブラリ。FTP,HTTP,SMTP,POP3,NNTPなどのプロトコルをサポートし,クライアントとサーバーのどちらにも利用できる。またMFCを使わないアプリケーションでも利用可能。

 サポートするコンパイラはVisual C++4.0以上で,価格は各製品とも9万8000円。初年度の出荷本数として各製品につき600本,計2400本を見込む。

 ソフトボートは,Dundas社の日本における総販売代理店として,すでにグリッド処理用クラスライブラリのHyperGear/Gridを日本語化して販売している。ここに今回の4製品を加えて,HyperGearシリーズとして販売活動を展開していく。これらのC++クラスライブラリは,DLLやActiveXコントロールなどの製品形態と比べると,(1)バージョンの違いなどによるトラブルが発生しにくい,(2)クラスを派生させることによって独自に機能を拡張することが可能,といったメリットがあるという。