ジャストシステムは12月1日,2000年上半期中にJavaとXML(eXtensible Markup Language)をベースにした表計算ソフト,プレゼンテーション・ソフト,ドロー・ソフトなどを製品化する意向を表明した。12月3日に9800円で店頭販売を始めるJavaとXMLをベースにした日本語ワープロ「一太郎Ark」でベースとなるモジュール群「Arkプラットフォーム」の開発が終わったため,それを活用して製品ラインを拡大するわけだ。一太郎ArkやArkプラットフォームのモジュール群についてはAPIを公開すると決めており(時期は未定),モジュールを他社に外販することについても積極的な姿勢を示した。

 Arkプラットフォームは,XMLのドキュメント群(DOM:Document Object Model)を扱うためのソフトウエア・モジュールの集合体だ。具体的には,HTMLレンダラ,SVG(Standard Vector Graphics)レンダラ,数式レンダラ,SYMM(Synchronized Multimedia)レンダラなどのモジュールなどから成り,すべて100% Pure Javaで実現されている。一太郎ArkはArkプラットホームのモジュール群の上に,「テキスト・エディット・コア」と呼ぶソフトウエア・モジュールを重ねて実現している。今後は「表計算エディット・コア」「プレゼン・エディット・コア」「ドロー・エディット・コア」などのモジュールを作り,新たなアプリケーション製品として販売していくわけだ。

 開発者にとっては,どのようなAPIが公開されるのかがポイントになる。一太郎Arkではリソース追加,ファイル管理,URL処理,ファイル処理(HTML,一太郎,Microsoft Word,ZIPなどに対応),ユーザー・インタフェース追加,「アクション」(一太郎Ark内のイベント・ハンドラ)の追加/差し替え,キー・ストロークの差し替え,タイミング・フックといった処理を行うAPIを公開するという。Javaでアプリケーションを作ろうと考えている人にとって,一太郎Arkはソフトウエアの部品集としても魅力があると言えるだろう。

 同社の浮川和宣社長は「XMLはワープロ文書だけの話ではなく,データベースやEC(電子商取引),デジタル放送の標準フォーマットになり,パソコン,非パソコン,情報家電のすべてをカバーする」,また浮川初子専務は「XMLは100年後,200年後に生き残るフォーマット,ワクワクした感動を持って仕事をしている」と述べ,同社がこの技術にいかにコミットしてるかを示した。ただし,その一方で既存のWindows上で動く製品群は「全部そのまま進化させる」(浮川専務)という。同社がJava-XMLベースの製品だけに開発力を割くわけではないため,スケジュール通りに製品を出すことができるかどうか,一抹の不安も残る。