日本アイ・ビー・エムは3月1日,開発者向けの情報提供サイト「developerWorks Japanese」を開設したと発表した。米国では1999年9月に「developerWorks」をスタートさせており,海外展開は日本が最初になる。

 これに関連して,米IBMでdeveloperWorksとソフトウエア技術情報提供サイト「alphaWorks」を担当しているChris Bahrプログラム・ディレクタ(写真=18KB)が来日,本誌記者との会見に応じてdeveloperWorksの狙いについて語った。要旨は以下の通り。

─あなたが担当しているalphaWorksとdeveloperWorksという二つの情報提供サイトは何が違うのか。
 alphaWorksは1996年にスタートさせた情報提供サイトで,アルファ版の段階,つまり実用にはまだ遠い段階のソフトウエア技術を広く知ってもらい,IBMの外部の人たちとともに育てていくのが狙いだ。たとえばXML(eXtensible Markup Language)に関して言えば,98年2月にW3C(World Wide Web Consortium)が仕様を発表した同じ日に,IBMはXMLパーサー(構文解析ソフト)を提供することができた。これはalphaWorksの活動のおかげだ。XMLの世界ではIBMがリーダーシップを取ることができたし,尊敬を得ることもできたと思う。
 ただ,alphaWorksが扱っているのは先端情報で,全世界に1000万人いる開発者(developer)の,ほんの一部をカバーしているにすぎない。これに対し,developerWorksはalphaWorksよりもずっと多くの開発者を集めることができると思う。developerWorksの対象は企業ではなく,デベロッパ一人ひとりだ。もっとも,彼らは企業内で働いているかもしれないし,フリーで働いているかもしれないが。
 developerWorksでは,最初にアプリケーションの骨組み(application framework)を提示する。これからソフトを作るならこういう方法がいいだろうという提案だ。トピックをJava,Linux,オープン・ソース,セキュリティ,Unicode,Webアーキテクチャ,XMLに分類し,それぞれについてツール,ソースコード,ちょっとしたコツ(tips),独習用教材(tutorials),ニュースなどを提供していく。

─Javaの情報だったら米Sun Microsystemsなどのサイトがあるし,Windows関連なら米Microsoftのサイトがある。developerWorksを見る必要はあるのか。
 確かにMSDN,Sun,Oracle,Netscapeなどのサイトはあるが,それらは彼らの製品や技術について語っているにすぎない。これに対し,developerWorksの目的はIBMについて語ることではない。我々は自由で,正直な情報の仲介者(broker)になりたいと思っている。ZDNetdeveloper.comほどとまではいかないが,他のベンダーに比べればインデペンデントでジャーナリスティックなサイトだ。編集長という役職を置いているのもそのためだ。日本のサイトにも編集長がいて独自コンテンツを充実させていくし,その情報を世界へ発信もする。

─developerWorksで,ユーザー登録を求めてこないのはなぜか。個人的にはなかなかいいと思っているのだが。
 それはプライバシに気を配っていることの表れだ。ただ,自分のプライバシを明かしてもいいと思った人は,電子メールでdeveloperWorksの編集長などにアクセスしてほしい。そういう対話を通してもっと先に進みたい。

─IBMというと「プロプライエタリの王様」というイメージがまだぬぐい切れない。そもそも,個々のプログラマよりも上のレベルで話を進める会社ではないか。
 確かにIBMはBtoB(ビジネスtoビジネス)でやってきた会社だが,インターネットによって状況は変わってきた。個々のデベロッパやプログラマのレベルで見ると,彼らは単に情報を得られるようになったという以上に力を付けてきている。IBMにとって個人向けの取り組みは重要だ。

─Lou Gerstner会長もそう思ってると考えていいのか。
 もちろん!