オブジェクト指向技術の標準化団体である米OMG(Object Management Group)は9月1日に,日本法人「オブジェクト・マネジメント・グループ・ジャパン(OMGジャパン)」を設立する。これまではコンサルティング/マーケティング会社の創研プランニングがOMGのインターナショナル・パートナーとして活動していたが,OMGジャパンはOMGによる全額出資による別会社(有限会社,資本金300万円)である。ただし,OMGジャパンの社長を創研プランニングの鎌田博樹社長が兼任するのをはじめ,当面はOMG関連の活動にかかわっていた創研プランニングのスタッフがOMGジャパンのスタッフを兼ねる。また,OMGのRichard Soley会長兼CEO(最高経営責任者)がOMGジャパンの代表取締役,Bill Hoffman社長兼COO(最高執行責任者)が同取締役となる。

 OMGは,1989年に設立されたオブジェクト指向技術に関する標準作成のための非営利団体。分散オブジェクト仕様CORBA(Common Object Request Broker Architecture)やオブジェクト指向モデリング言語UML(Unified Modeling Language)などの標準仕様の策定に加え,最近ではCORBA/UMLをベースにした産業別フレームワークの標準化を進めている。創研プランニングは92年から,日本でのOMGの技術や標準の普及を支援する,日本の関連団体とOMGとの交流の仲立ちをする,といった事実上「OMG日本支部」の役割を果たしていた。

 この時期にOMGジャパンを設立した狙いに関して,鎌田社長は「CORBAをはじめとする基本的な仕様はほぼ完成し,現在は製造,金融,医療といった産業別の標準作成が活発に進められている。欧米の大手企業の動向から見て,これらの標準が各業界における国際的なデファクトになる可能性が大きい。ところが標準作成に参加しているのは,ほとんどが欧米のユーザー企業。いまのうちに日本のユーザー企業やシステム・インテグレータにもOMGの活動や技術を知ってもらうとともに,積極的に標準作成に参加してもらうようにする必要があると感じたからだ」と話す。すでに日本でも各業界の大手ユーザーがCORBAを基幹システムで導入し始めているといい,「十分ニーズはある」(同)と見ている。

 OMGジャパンの活動としては(1)OMG関連技術の普及促進,(2)複数のユーザー企業によるフィージビリティ・スタディ(FS)のコーディネート,(3)技術者やアナリストの交流のためのフォーラムの提供,(4)各種機関/団体との連携の支援,などを予定している。当面は,(1)と(2)を軸にしていく。(1)では,CORBA/UMLの教育をWebで行うためのコンテンツ「CUTE(CORBA UML Training Environment)」の作成をすでに始めている。IPA(情報処理振興事業協会)から助成を受け,OMGジャパンとNEC,東芝,日本オラクル,日立製作所,富士通がコンソーシアム形式で作業を進めている。2001年3月までに完成させる予定という。(2)は,同じ産業に属する複数のユーザー企業によるCORBA/UMLベースの標準作成やシステム評価といったFSを支援するもの。現在実施のための話し合いを進めているという。「可能なら,日本側で産業別の標準を作り,それを提案するところまでやりたい」(同)。