日本BEAシステムズは12月7日,Webアプリケーション・サーバーWebLogic Serverの新版6.0を発表した。まず12月19日に英語版(日本語も扱うことが可能)を出荷開始し,続いて2001年2月に日本語版を出荷開始する。日本語版では,管理画面であるアドミニストレーション・コンソールや各種メッセージ,リソース,Webサイト上で公開するマニュアル,開発環境などを完全に日本語化する。価格は従来と同じ(1CPUあたり198万円から)。Windows NT 4.0/2000,Solaris,HP-UXに対応する。WebLogic Serverからサーブレット・エンジン部分を抜き出したWebLogic Expressの新版6.0も同時に出荷する。

 WebLogic Serverは,3階層型のWebベース・アプリケーションのアプリケーション層を実現するためのサーバー・ソフト。Javaをベースにしており,EJB(Enterprise JavaBeans)をサポートする。6.0は前版5.1からのバージョンアップ版で,最大の目玉はJ2EE(Java2 Platform,Enterprise Edition)に完全対応になったこと。前版でもEJBやJSP(JavaServer Pages),RMI(Remote Method Invocation)などのJ2EE仕様をサポートしていたが,今回J2EE 1.2に含まれるJavaMailサービスを実装した。また,J2EE 1.3に含まれるEJB 2.0,JMX(Java Management eXtension)にも対応した。

 このほかの強化点は(1)管理コンソールをJavaベースからWebベースに変更し,サーバー群を同一画面から管理できるようにした,(2)JMS(Java Message Service)によるメッセージ・クラスタリングに対応した,(3)IBM MQSeriesなどのメッセージ連携ミドルウエアに対応,(4)JAXP(Java API for XML Parsing)のパーサーを変更して性能を高めるなど,XML(Extensible Markup Language)関連機能を強化,など。SOAP(Simple Object Access Protocol)への対応も,6.0の付加機能として開発者向けに今後提供する予定があるという。

 記者発表会で,米BEA SystemsのBill Coleman会長兼CEO(最高経営責任者)は「BEA Systemsは20四半期連続で収益が伸びており,顧客も全世界で8000社に達した。WebLogicは2位のIBM WebSphereの2倍のシェアを獲得しており,今後もシェアは拡大する。WebSphereはサーブレットやJSPでは強力だが,クラスタに対応していないため,ドイツDeutshe Bankや米Goldman Sachs Groupなど多くの企業がIBMからBEAに移行した」と自信を見せた。米Microsoftの.NETに関しては「.NETはCOMの失敗をカバーするためのもので,J2EEに追いつくには数年かかる。その間にビジネスの流れはJ2EEに落ち着く」とコメントした。