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■2005年内に出荷が予定されているVisual Studio 2005の製品系列は,チーム開発機能を備えるVisual Studio 2005 Team System,従来と同様,コーディングとデバッグの機能だけを備えるVisual Studio 2005,言語単体製品のVisual Studio 2005 Expressの大きく分けて3つが用意される。

■そのうちのTeam Systemは,これまでのコーディングやデバッグに加えて,モデリング,コード分析,テスト,開発チーム間のコミュニケーションなど,チーム開発のための機能が備わる。システムの設計から展開までを支援することで,システム構築の手法を効率化する狙いだ。

 2005年後半,マイクロソフトの開発ツール「Visual Studio」は,大幅にバージョンアップされる予定だ。これまでのVisual Studioは,主にコーディングとデバッグの機能を提供するだけだったが,新バージョンの「Visual Studio 2005」(開発コード名Whidbey)は,それらの機能に加えてモデリング*やコード分析,テスト,開発チーム間のコミュニケーション機能などを新たに備える。同時出荷が予定されている「SQL Server 2005」(開発コード名Yukon)の上で動作するストアド・プロシージャ*などを開発するための機能も新たに装備する。

図1●Visual Studio 2005の製品構成

 製品構成も現在のVisual Studio .NET 2003から変更される。まだ価格などの詳細な情報は明らかになっていないが,およそ図1[拡大表示]のようになる。

 まず,言語単体の製品である「Express」が用意される。それらは,「Visual Basic 2005 Express」「Visual C# 2005 Express」「Visual C++ 2005 Express」「Visual J# 2005 Express」「Visual Web Developer 2005 Express」の5種類。前者4つの言語製品は,Windowsアプリケーション開発専用である。そしてVisual Web Developerは,ASP.NET* 2.0に基づいたWebアプリケーション開発用の製品である。言語としては,Visual Basic/C#/J#の3種類が利用できる。これら5つの製品は,同じ「Express」と名が付くOutlook ExpressやSQL Server 2005 Expressと異なり,無償ではない。価格は未定だが,現在のVisual Studio .NET 2003の言語単体製品(推定小売価格1万9800円)よりも安くなる見込みだ。

 「Visual Studio 2005」は,現在のVisual Studio .NET 2003と同等の機能を備える製品である。「Visual Studio 2005 Standard Edition」と「Visual Studio 2005 Professional Edition」の2種類がある。どちらもVisual Basic,C#,C++,J#の4つの言語を利用でき,Windowsアプリケーションと,ASP.NET 2.0に基づいたWebアプリケーションの開発に対応する。Professional Editionはさらに,SQL Server 2005用のアプリケーションも開発できる。

Team Systemを4つのエディションで構成

 Visual Studio 2005の製品系列の最上位に位置するのが,チーム開発のための新機能を備えた「Visual Studio 2005 Team System」である。製品としては,「Visual Studio 2005 Team Architect Edition」「Visual Studio 2005 Team Developer Edition」「Visual Studio 2005 Team Test Edition」「Visual Studio 2005 Team Foundation Edition」の4種類になる。それぞれ,Visual Studio 2005 Professional Editionが備えるコーディングおよびデバッグ機能に加え,チーム開発するときの役割に応じた機能が実装される。さらにこれら4種類の機能をすべて含んだ「Visual Studio 2005 Team Suite」も用意される予定だ。

 Visual Studio 2005 Team Architect Editionは,主に分散アプリケーションの設計者(アーキテクト)のための製品である。2004年8月に公開されたベータ1版が,Team Architect Editionに相当する。分散アプリケーションを構成するシステム全体,あるいはそれらのハードウエア構成を設計するためのモデリング・ツールが開発環境に統合されている。特徴は,アプリケーションの展開(配布)を考慮しながらシステムを設計できることだ。

 Team Architect Editionでは最初に,システムを形作るアプリケーション(ソフトウエア)の構成を設計する。次にそれらを運用するハードウエア構成を決める。このとき,ネットワークをゾーンに分け,どのゾーンにどのサーバーを配置するかを決める。最後に,各アプリケーションをどのハードウエアに配置するかを決める。これには,実際にモデル図上で,アプリケーションのアイコンを,ハードウエアを意味する部品にドラッグ&ドロップする。その際,必要なユーザー・アカウントやシステム要件などがアプリケーションとハードウエアとで合致しないと,ドロップできない。これまでは実際にアプリケーションを各ハードウエアに実装してみないと分からなかった不具合が,設計段階で把握できるようになる。

(山口 哲弘)