マイクロソフトは9月26日,Windows 2000の最上位版であるWindows 2000 Datacenter Serverを発表した(該当サイト)。同社の思惑どおり,大規模システムでぶつかるUNIXに対抗できるのか。Datacenter Serverの発表会で,「Datacenter Serverの登場により,Windows 2000ビジネスに弾みがつく」と意気込みを表明したNECの小林一彦執行役員常務に,Datacenter Serverの販売戦略について聞いた。要旨は以下のとおり。

 現状,インターネット分野を中心に,大規模システムのプラットフォームはサンマイクロシステムズのSolarisが圧倒的に強い。Datacenter Serverで「低コストで信頼性の高い大規模システムを構築できる」といくら宣伝しても,ユーザーはすぐに信用してくれない。Windows 2000をこの分野に浸透させるには,実際のシステムで実証していく必要がある。NECは今後,まずは5社ぐらいをターゲットに,リファレンス・ユーザーを開拓していく。UNIXを置き換えたいというユーザーがいれば,要望にこたえたい。ターゲットとなるシステムは,インターネットの大規模サイトや,基幹業務システムだ。また,複数のNTサーバーが稼働しているシステムをDatacenter Serverに統合するような用途も考えられる。

 Datacenter Serverは大規模なシステムを構築するのに必要な機能を備えている。Windows 2000 Serverの安定性に対する評価も高い。それでも,メインフレームやUNIXを提供してきたメインフレーマが,すぐにDatacenter Serverの優先度を上げることはないだろう。NECもそうだが,日本IBMや富士通,日立といったベンダーは,メインフレーム,UNIX,Windows 2000という優先順位をすぐには変えないだろう。まずはDatacenter serverの実績を積みあげ,それから優先順位が変わるのではないか。

 ただし,現在インターネットのシステムで高いシェアを誇っているサンマイクロシステムズのように,特定の企業が独り勝ちしている状態が長く続くものではない。必ず対抗する製品が出てくる。ハイエンドの分野ではDatacenter Serverが,小規模なシステムではLinuxが,サンを脅かすような存在になるだろう。

 IA-32では,NECは8プロセッサ機でDatacenter Serverを提供するため,Advanced Serverとハードウエアは共通になる。ただし,サポートの体制はDatacenter Serverが勝る。Datacenter Server向けに24時間,365日のサポート体制を整えた。マイクロソフト社内にも,共同で検証ラボを設けるなど,迅速な障害対応が可能になっている。NECでは,ハードウエアを完全に2重化したフォルト・トレラント・サーバーでもDatacenter Serverを提供する。より信頼性の高いシステムとして利用できる。64ビット・プロセッサのIA-64では,16プロセッサ機を開発しており,より拡張性の高いシステムを提供できるようになる。

 Datacenterプログラムでは,99.9%の稼働率を保証することを前提としている。しかしUNIXが99.999%を保証していることを考えると,UNIXに劣る印象は否めない。先日来日した米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏に,UNIXに本気で対抗したいならWindows 2000も99.999%にするべきではないかと進言した。稼動保証のための条件を整えれば,UNIX並みの99.999%を宣言することは可能なはずだ。
(森重 和春=日経Windows 2000)