マイクロソフトと日立ソフトウェアエンジニアリングは11月13日,電子商取引システムの構築などWindows.NET戦略を推進するための組織を共同出資で設立すると発表した。本日付けで運営を開始する。

 本組織の設立に当たり,両社はそれぞれ1億2000万円ずつ出資する。日立ソフトは自社の開発人員のうち200名を振り分ける。資金と人材を出し合い1つの会社のように連携しながら事業を運営していく形態だ。初年度の売り上げ目標は,少なく見積もって100億円と予測している。

 この提携によりマイクロソフトは,.NET戦略を実現するためのソフトウエア群「Microsoft .NET Enterprise Servers」を使ったソリューション事例を数多く構築し,具体例を示しながら.NET戦略を推進するのが狙いだ。日立ソフトにとっては,来年以降に本格化するであろう電子商取引ビジネスに備え,案件を早期に獲得するための体制を強化したことになる。

 協業するビジネス分野は「電子商取引システム」,「移動携帯端末を利用したシステム」,「他社製OSやアプリケーションからMicrosoft製品への切り替え促進」,「基幹業務システム」の4つ。SQL Server 2000やBizTalk Server 2000をはじめとするMicrosoft .NET Enterprise Servers製品群を活用し,これら4つのソリューションを実現する。

 この4つの協業分野の中でも,特に電子商取引分野に力を入れる。2001年1月をめどにその専門組織「X-Business Solution Center」を設立する。X-Businessとは,XML技術を活用したインターネットやモバイル環境にフォーカスしたビジネスを指し,まさにMicrosoftが提唱するMicrosoft.NETビジネスの中核だ。具体的には,来年初頭に発売予定の「Biztalk Server 2000」を軸に電子商取引システムのコンサルティングから構築,プロモーション活動などを両社共同で行う。

 「Microsoft製品への切り替え促進」に関しては,ユーザー企業で利用されているメインフレームやUNIXなどをWindows 2000へ移行するよう働きかけていくほか,「OracleからSQL Server 2000」,「ロータス ノーツ/ドミノからExchange 2000」への移行を促す。そのほか,マイクロソフト社内で利用している経理や人事などの基幹業務システム「IT Showcase」を汎用化して,ユーザー企業に提供していく予定だ。

 今回の発表で興味深いのが,「他のSIと同様の提携をする予定はない」(マイクロソフトの阿多新市代表取締社長)と断言した点。その理由について阿多社長は,「1500名ものMCP(マイクロソフト認定技術者)を抱え,その中からトップ・レベルの技術者200名を新組織に提供できるSIがほかにはなかった」と説明する。

 これまで日立ソフトは,97年2月に他のSI企業に先駆けてBackOffice Competency Center(BOCC)を設立するなど,マイクロソフトとのビジネスに積極的だった。加えて,昨年11月にはマイクロソフトのコンサルティング本部とも業務提携しており,この1年間で受注した新規案件数などが評価されて合意に至った。
(菅井 光浩=日経Windows2000)

(IT Pro注:
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