「このままではユニシスに当社の領域を荒らされる」。NECは今年,IA-32の16個のマルチプロセッサ機を投入して,ハイエンドのミッション・クリティカル領域に再挑戦する。NECソリューションズでサーバー事業を統括する小林一彦執行役員常務が,日経Windows 2000のインタビューで明らかにしたもの。要旨は以下の通り。

 これまで,データセンターのようなハイエンドのミッション・クリティカルな領域は,64ビットが本命と考え,32ビットを軽視していた。64ビットのItaniumを16個搭載したマルチプロセッサ機「AzusA」を開発し,この領域に備えてきた。一方,Windows 2000 Datacenter Server向けにIA-32の8プロセッサ機を提供しているが,ハイエンドの領域では売り上げは芳しくなく,HP-UXかSolaris向けのRISCマシンを推すのが基本的な戦略である。

 しかし,実際にはIA-32でも,ハイエンドのミッション・クリティカルの市場があることが分かった。この分野では,日本ユニシスが提供する32プロセッサ機「ES 7000」が,多数のユーザーを獲得して実績を上げている。コスト・パフォーマンスを重視する新しい市場だ。このままではNECの顧客領域まで日本ユニシスに取られかねない。

 NECは対抗策として2001年中に,IA-32の16プロセッサ機を投入して攻勢をかける。2002年には32プロセッサ機を投入する方向だ。AzusAの開発ではチップセットも自社開発したが,IA-32サーバーではパートナ企業が開発したチップセットを採用する。

 64ビット版Windowsを搭載するAzusAも2001年夏には出荷する。64ビット版のHP-UXやLinuxとほぼ同じ時期にリリースできるだろう。ただし,AzusAはデータ・マイニングや科学技術計算の分野から利用がスタートするので,ハイエンドの基幹システム領域を狙うIA-32のサーバーとは競合しない。

(森重 和春=日経Windows 2000)