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 次世代Windows(開発コード名Longhorn)は当初の予想を裏切り,大規模な機能強化を施したメジャー・バージョンアップ版になる模様だ。もともと,Windows XPの後継製品として計画されている.NET完全対応のWindows「Blackcomb(開発コード名)」が遅れたために「中継ぎ版」としてLonghornが登場する予定だった(関連記事)。しかし,2001年末ごろからLonghornの位置付けがにわかに重要性を帯びてきた。

 Windows XPの売り上げへの影響を懸念して,MicrosoftはLonghornの情報を公表してこなかったが,ここ数カ月で少しずつ漏れ聞こえてくるようになっている。2000年1月にBill Gates会長がCEOの座を降りた時,Gates会長はチーフ・ソフトウエア・アーキテクトを兼務してソフトウエア戦略へ集中するとしていたが,具体的にどのような役割を帯びているのかが不明確だった。今週のFORTUNE誌の記事はこの長年の疑問に応えてくれている。Longhornがまさにそれだったのである。

 では肝心の中身はどうなるのだろうか。セキュリティ向上のためのアーキテクチャ「Palladium」は要素の1つだ(関連記事)。Gates会長は,Longhornを完成させるためにはサーバー版,クライアント版を含めWindowsを完全に点検し尽くす必要があると話している。OS以外の製品についても同様だ。FORTUNE誌のレポートによると,Longhornではユーザーがどのような作業をしてだれと通信し,どこのサイトにアクセスしたか,また,文書をどうやって作成してそれをだれと共有しているのか,さらにネットワーク上を流れるデータのうちどれがユーザー自身の情報なのかといった情報を簡単に把握できるようになるという。

 このほか,具体的な実装形態は不明だがLonghornが備える機能がいくつか明らかになっている。具体的には(1)文書や電子メール,スケジュール,アドレス帳などのデータ格納場所を1つにまとめ,検索しやすくする機能,(2)電話や電子メールの盗聴を防ぐ機能,(3)ユーザーの居場所を追跡して電話や電子メールを転送する機能,(4)オンライン会議の開催機能,(5)Webサイトやメーリング・リストを簡単に作成する機能,(6)ネットワーク対応の様々な装置から安全にLonghornマシン上のデータにアクセスする機能,(7)オンライン出版物を印刷物と同じように読めるようにする機能,などである。

 こうしたLonghornの機能強化項目は10個のシナリオに分類されている。シナリオにはそれぞれリアルタイム・コミュニケーション,ストレージ,認証とセキュリティといった名前が付けられて,それぞれ開発チームが編成されている。Gates会長の役割はプロジェクト全体の統括で,各チームと頻繁にミーティングを持っている。Gates会長はLonghornの広範な機能強化を「月ロケットを連発するようなものだ」と話しており,今ではGates会長の仕事の半分以上を占めるという。

 中継ぎ版であるはずのLonghornの出荷開始予定が当初の2003年というスケジュールからずれ込んで2004年中ごろとなったことは疑問だったが,これだけの機能を盛り込むということならば合点がいく話である。