だれも使わないどころか,理解すらしてもらえない新技術に会社の命運を賭けているとしたら,あなたはどうするだろうか。これは,米Microsoftが.NET戦略を発表してからの2年間,ずっと直面してきた問題だ。多くの顧客は,いまだに「.NETって何?」とMicrosoftに問い続けている。そのためMicrosoftは今週,100人もの報道陣や金融アナリストをワシントン州レドモンド(Microsoft本社の所在地)に連れ込み,同社がWebサービスによって何をしようとしているのか,説明を試みた。だが実際に興味を引かれたのは,.NET戦略に関する“成績通知表”と将来に提供される製品・技術をのぞき見たことだった。

 「フェーズ1は,うまくいったものもあれば,そうでないものあった」と米MicrosoftのBill Gates会長は語った。「これは長期間にわたるアプローチだ。一夜にして成るものではない」。まさにその通り。2年経っても,Microsoftは.NETに関してほとんど進歩していない。.NET対応の主な製品はわずか2つだけ。.NET PassportとHotmailである。「.NET Enterprise Servers」といった他の.NETテクノロジは,名前だけで.NETとは何の関係もなかった。そのため,Gates会長は自社のソフトウエア・サービスの成績通知表に「C」を付けた。しかし,その評価は少々甘いように思われる。

 Microsoftは,今後.NET戦略に基づいて開発される様々な製品や技術を描いて見せた。「Greenwich」と呼ばれるプロジェクトは,例えばデスクトップとPocket PCの両方を使っているユーザーにシームレスの体験を与えるようなリアル・タイム・コミュニケーション基盤を提供するものだ。Greenwichは2003年中ごろに登場する。「Yukon」と呼ばれるSQL Serverの次期バージョンは,新しいWindowsファイル・システムや将来のExchangeデータ・ストア,次期Active Directoryの基礎を形成するものだという。2003年末頃に登場する予定だ。

 最も注目すべき製品は,開発コード名「Longhorn」と呼ばれる次期Windows OSだ。だがリリースまでに少なくとも2年はかかるだろうとGates会長は話す。開発スケジュールが延びたことによって,Longhorn以前にWindows XP Service Pack 1のような“中継ぎ”のWindows OSを投入せざるをえなくなった。MicrosoftはLonghornに関して多くを語ろうとせず,その代わりに.NET関連の取り組みに関する説明に注力していた。詳しく語れるほどLonghornの完成度が高まるまで,まだやるべき作業がたくさんあるからだ。