米Microsoftは8月22日,開発環境「Visual Studio .NET(以下VS.NET)」の,2002年から2004年にかけてのバージョンアップの計画(ロードマップ)を発表した。7月に開催した金融アナリスト向けのミーティングなどで断片的に伝わってきていたが,正式に発表したのは初めて(関連記事)。

 バージョンアップは主要なプラットフォーム製品のリリースに併せて行われる。具体的には次期版のWindowsサーバー「Windows .NET Server」,次期版データベース管理システム「Yukon(開発コード名)」,さらに将来版のWindows「Longhorn(開発コード名)」の3つである。

 まず,Windows .NET Serverに合わせて「Everrett(開発コード名)」をリリースする。Everrettでは,比較的小規模な機能強化と,アドオンとして提供されているモジュール群の統合が行われる。

 Everrettでの機能強化は,ターゲットとなる実行環境である「.NET Framework」のバージョンアップに伴うものだ。Windows .NET Serverに搭載される.NET Frameworkは現行のバージョン1.0からバージョン1.1に変わる。セキュリティ管理機構の向上のほか,整備が急速に進むWebサービス関連技術の新しい仕様への対応などが含まれる。

 Everrettに統合されるアドオンはいくつかある。モバイル機器を対象としたWebアプリケーション開発用のアドオン「Mobile Internet Toolkit」,モバイル機器向けのアプリケーション実行環境「.NET Compact Framework」に対応したアプリケーション開発用のアドオン「Smart Device Extensions」および,Java言語の開発環境「Visual J# .NET」である。

 次に,2003年中とされるYukonのリリース時期には,大規模なバージョンアップを施した「Visual Studio for Yukon(仮称,以下VS for Yukon)」が登場する。Yukonは.NET Frameworkの新版(バージョン2.0)に統合され,.NET Frameworkの一機能として働くようになる。YukonはXML(Extensible Markup Language)データのハンドリングをはじめとする様々な機能強化を含み,VS for Yukonもこれに合わせた強化が施される。

 加えてVS for Yukonでは,MS Officeの新版(開発コード「Office 11」)をベースとしたアプリケーションの開発機能も統合する。現在,MS Officeのコンポーネントを制御するプログラミング環境はVBA(Visual Basic for Applications)をベースとした独自の環境になっており,VS.NETとは統合されていない。Office 11ではVS for Yukonと共通の統合開発環境(IDE)を利用できるようにすることで,.NETアプリケーションと似た使い勝手でOfficeベースのアプリケーションを開発できるようにするという。ただし,既存のVBAアプリケーションとの互換性を保つ必要があるため,統合はIDEの共通化にとどまると見られる。

 さらに次世代版のWindowsであるLonghornのリリースに合わせて,「Visual Studio for Longhorn(仮称)」をリリースする。このバージョンでもユーザー・インターフェースの更新をはじめ,プラットフォームの強化に合わせた機能強化が施される。

(斉藤 国博=日経Windowsプロ)