Paul Robichaux 著

 最近,私は600マイルほど引っ越しをしたのだが,その計画を練る上で最も難しかったことの1つは,Exchange Serverのシステムをできる限り短い停止期間で移動することだった。実際の停止時間に対して,サーバーを物理的にある所から他の所へ動かすために必要な時間で引き算すると,サーバーを停止したのはたったの45分であり,私は移動している間の電子メールを失わずに済んだ。そのときの体験談を紹介しようと思う。これをお読みの方で,Exchange Serverを引っ越しさせる予定がなくても,私が使ったいくつかのテクニックは,検討してみる価値があると思う。

 物理的にハードウエアを移動する計画立案の最初のステップは,予定表を作り上げることだ。しかも最後の作業のところから作り始めたほうがよい。つまり,いつサーバーはその新しい場所に設置されている必要があるかということだ。いつあるいはなぜ,あなたがサーバーを移動するかに最終期限は依存する。そのシステムがその場所になくてはならない時刻だったり,あなたができるかぎり早くシステムを新しい一角に動かさなくてはならないということかもしれない。このことを押さえておけば,作業を逆に追ってみて,それぞれの仮のステップに必要な時間(新しい場所でサーバーをセットアップするために必要な時間や,装置を物理的に移動するのに必要な時間)を決めて,最初にExchange Severの電源を落とすのはいつか,あるいは移動を始める日時(Exchange Serverや他のコンピュータやネットワーク装置などのうち,最初のコンポーネントをいつ移動するか)を決められる。この方法なら元の場所でぎりぎりまでサーバーを稼働できるはずだ。

 第2のステップは,引っ越しの前提条件のリストを作ることだ。この段階でちょっとダブル・チェックをしておくと,後々とても安心できるようになる。必要なときに建物に入れるか,電源が供給されるか,ネットワークに接続できるかを確認しておく。もし自社ビルでないところへ引っ越す場合はなおさらである。新しい場所で必要なリソースすべてがあるかどうかを考えておくこと。移動したサーバーが,Exchangeが依存するDC(ドメイン・コントローラー)やGC(グローバル・カタログ)サーバー,DNSサーバー,さらにそのほかのサポート・システムに,適切にアクセスできることを確認しておくこと。例えば私の場合,引っ越しを簡単にするために,Active Directory用のツール「Dcpromo」を使い,Exchange ServerをDCに昇進させる。それからマイクロソフト管理コンソール(MMC)の[Active Directory サイトとサービス]スナップインを使って,そのシステムをGCサーバーにする。こういったサービスを同じサーバーで稼働するのは,正式なネットワークで恒常的にやることではない。しかし,単純化したほうが引っ越しをやりやすいので,2台の代わりに1台のマシンを仕立てたのである。

 第3のステップは,あなたがリストアップした前提条件がそろわない場合に備え,緊急時の行動計画を作ることだ。もし,新しい場所でネットワーク接続が用意できていなかったとしたら,いつ対応できるか? もし,あなたがサーバーのインストールを計画している日に,新しい施設に電源が来てなかったとしたらどうするか? 特定の状況では,ほとんど何もコントロールできないだろうが(例えば,電話会社に自分の注文を少しでも速く処理させることはできない),何かが時間通りに用意できない場合に,自分が何をするかを想定しておいたほうがいい。

 LANやインターネットに接続する手段がなければ,あなたのサポート・システムは何もうまい助けが得られない。インターネット接続は通常,外部のプロバイダから提供されるから,いつそのプロバイダが古いサービスを停止して新しいサービスを始めるのか,最新の情報を確認しておこう。可能であれば,古いサービスを停止する前に,新しいサービスがすでに始まっていて,しかもテスト済みであることが望ましい。そうしておけば,もし引っ越しが延期されても,昔の場所でシステムの稼働を続けられる。

 引っ越しの物理的な面も考えておくとよい。自分のサーバーが適切に物理的な保護を受けていることを確認しておこう。トラックの後方からサーバーを放り投げてはいけない。ラック・マウント・サーバーのための特別な注意として,それらを運ぶ人がラックや輸送用ケースをひっくり返さないようにしっかり気をつけるよう確約を取っておく。私はかつて,運転前に輸送ケースをひもで縛ることを忘れたあわて者のトラック運転手に,4ノードのクラスタ・システムを壊されたことがある。幸いに保険がカバーしてくれたのだが...そう,それがもう1つのポイントだ。あなたの保険が輸送中の装置の損害や損失をカバーしていることを確認しておこう。