米Microsoftは先週,デジタル著作権管理技術(Digital Rights Management, DRM)のベータ版を近々リリースと発表した。DRMを使うことによって,Windows Server 2003やMicrosoft Office 2003のユーザーは,情報漏洩やコピー,許可していない人への転送を防止する,セキュアなドキュメントを作成できるようになる。

 Microsoftではこの技術を「Windows Rights Management Service(WRMS)」と呼んでいる。この技術は,大企業顧客からの「機密事項を含んだ内部文書がWebサイトや競合他社に漏れるのを防ぎたい」という要望にこたえる形で生まれたとしている。MicrosoftではWRMSのベータ版を今第2四半期に出荷する予定だ。

 MicrosoftのSecurity Business Unit担当のMike Nash副社長は,「これまで顧客から,『重要なビジネス情報を保護するための優れたソリューションが必要だ』といわれてきました」と語る。Nash氏は「著作権管理技術に関する最も切実な要望は,故意であるか否かにかかかわらず漏洩する危険がある情報を保護するために,ユーザー自身がドキュメントに対して永続的なプロテクトをかけられるようにしたい,ということなのです」と述べている。

 WRMSは,ソフトウエア開発者が「だれがデータにアクセスしたか」「どんな種類のアクセスがあったのか」という2つの評価基準を指定可能なアプリケーション(ワープロや電子メール・クライアントなど)を開発できるようになるプラットフォームである。WRMSを使うことによって,ドキュメントの転送やコピー,印刷をコントロールできるようになる。また,時間が来ると文書が無効になるといったルールを設定することも可能だ。Microsoftによれば,情報システム管理者は「企業機密」といった「WRMSポリシー」を設定できるようになるという。「企業機密」というポリシーを設定した場合,ドキュメントは社外に持ち出すことができない。

 先週Microsoftはうかつにも,Office 2003のベータ2を,MSDN購読者用ダウンロード・サイトにスケジュールを数週間間違えてアップロードしてしまった。このOfficeベータ版には,「Infomation Rights Management(IRM)」と呼ばれる技術が含まれていた。IRMは,WRMSが利用可能なサーバーへの接続を要求していた。IRMを使えばOffice 2003のユーザーは,ドキュメントや電子メールに「パーミッション・ルール」を適用することによって,機密情報を保護できるようになる。IRMの初期のテストでは,保護された電子メールを他のユーザーに送信できた。このメールはクリップボードにコピーしたり,転送したり,印刷することができなかった。ドキュメント保護機能は,Office 2003環境以外の場所でも機能するようだ。例えば,プロテクトされた電子メールはMozillaなどのOffice環境以外の電子メール・クライアントでは読むことができない。

 3月にOffice 2003ベータ2が入手できた段階で,この興味深い技術に関する詳細な情報をお届けする予定だ。