イーエムシー ジャパン(以下,EMC)は3月26日,ATA(AT Attachment)仕様のハードディスクを利用したバックアップ・システム「CLARiX ATA」を発表した。ATAディスクを使った製品は同社で初めて。

 「CLARiX ATA」はミッドレンジのSAN(Storage Area Network)製品ファミリCLARiXに組み入れられる。キャビネットやストレージ・プロセッサは既存のCLARiX CXシリーズと同じものである。ディスク・ドライブを格納するきょう体(DAE:Disk Array Enclosure)にファイバ・チャネル(FC)とATAのブリッジ・コントローラを2台内蔵し,ストレージ・プロセッサからは従来のFC仕様のディスク・アレイとまったく同じように制御できる。1台のストレージ・プロセッサでFC仕様のディスク・アレイと混在させることも可能で,キャビネット内にバックアップを保持するようなシステムも構築できる。

 ATA仕様のハードディスクはパソコンなど向けに広く利用されており,既存のCLARiX製品などで用いているファイバ・チャネル(FC)仕様のハードディスクに比べて価格が安い。従来,高価なFCディスクに保管しきれないデータは,テープに保管する程度の選択肢しかなかったが,テープ媒体はデータへのランダム・アクセス性能が大幅に落ちるという短所がある。CLARiX ATAは安価なATAディスクを採用することで,FCより低コストで,かつテープよりアクセス性の良い第3の選択肢を提供するもの。ATAディスクはFCディスクに比べて信頼性で劣るが,RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)などを用いることで,頻繁なアクセスのないバックアップ用途には問題ないレベルの信頼性を確保できると判断した。

 EMCの試算によると,テープ・ドライブを利用したバックアップ・システムに比べると,10テラ・バイト容量のシステムで1.4倍,50テラ・バイト容量のシステムで1.7倍程度のコストで構築できるという。参考価格はCX 400をベースとした10テラ・バイトのシステムが3000万円。

(斉藤 国博=日経Windowsプロ)