世界の2大PCメーカーと米Sun Microsystemsは,PCメーカー2社が販売する全Windows XPパソコンにJava技術を搭載することで合意した。Dell ComputerとHewlett-Packard(HP)のPCを購入したユーザーは,追加作業なしにJavaのアプリケーションやサービス,アプレットを利用できる。MicrosoftはまもなくWindowsにJava技術を搭載しなくなるが,それに手際よく対応可能になる。現在,ユーザーが最新版のJava技術を利用しようとする場合は,モジュールを探してきてインストールする必要がある。

 Java技術の開発を指揮するSunのJames Gosling氏は,「(DellとHPとの)合意は広範囲にわたる。(合意は)絶好のチャンスだ」としている。HPはJavaをWindows XPベースの全デスクトップPCとノートPCに搭載する。一方,DellはWindows XPに加えて,Linuxパソコンにも搭載するという。

 SunとMicrosoftのJavaをめぐる戦いは遠く昔に起きた。それは複雑な歴史である。1995年にMicrosoftはInternet ExplorerやWindowsなどWeb関連製品に同技術をバンドルするため,ライセンスを受けた。しかし,Microsoftはパフォーマンス向上と機能追加のためとしてJavaに修正を加えた。

 Sunはこれが契約に違反し,市場を混乱させるとして非難した。SunはMicrosoftを訴え,結局両社は和解したが,MicrosoftはJavaのサポートを失った。さらにMicrosoftが米国政府との反トラスト法(米独占禁止法)に関する争いで負けた後,SunはMicrosoftに対して個別の反トラスト法訴訟を起こした。このとき,連邦地裁判事は,SunのJava技術をWindows XPに搭載するように仮処分命令を下した。

 MicrosoftはWindows XP SP1bというサービス・パックによってこれに応じている。しかし,上告裁判所の判事はこの命令を取り下げて,XP SP1bの提供が遅れた。現在,両社は今年遅くに公判が再開されるのを待っているところだ。

 なかなか複雑であるが,これでも概要に過ぎない。本当に詳しく書いたら書籍ぐらいの文章量になってしまうだろう。とにかく,DellとHPを引き入れたことはSunにとって会心の一撃といえよう。Javaの普及も加速するはずだ。SunがWindowsへのJava搭載の裁判で負けたとしたら,なおさら今回の合意は大きな意味を持つ。Windowsが普及しているのは毎年数億台のPCとともに出荷されていることが大きい。テクノロジをユーザーに届けるにはそれも最も効果的な方法なのである。