マイクロソフトが開催する技術者向けセミナー「Tech・Ed&EDC 2003 YOKOHAMA」が8月5日,パシフィコ横浜で始まった。今年は運用・管理者向けセミナーEDCが5~6日,システム構築担当者向けセミナーTech・Edが7~8日という形で開催される。Windows Server 2003やExchange Server 2003など最新の製品やOffice新版など開発中の製品に関する講演が4日間にわたり行われる。

 8月5日には,米MicrosoftのExchangeプログラム・マネジメント・ディレクターであるTerry Myerson氏が「可能性の扉を開く~Integrated Platformが創造する情報システムの価値~」というタイトルでEDCの基調講演を行った(写真)。最近ITに対する価値に疑問が示される傾向があるが,同社はまだITには可能性があると考える。そのためにはソフトウエアの組み合わせに知恵を絞る必要があるという。

 しかしながら,現状ではITで競争優位を発揮するためには企業システムの複雑さがネックになっている。現状では既存のシステムのメンテナンスや性能維持に70%のリソースが振り向けられているが,この配分を変えて,新たな価値の発揮に振り向けていかねばならないとする。

 例えば,これまでERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)などのシステムが個別に構築されていたが,これをWebサービスのような技術で連携させることが重要であるという。具体的なWebサービスとして「認証のフェデレーション」など6つの要素があげられた。この基盤として,同社はWindows Server Systemと総称するサーバー製品群やOffice製品,開発ツールを提供する方針が示された。

 同時にコストの削減を,複数の製品のアーキテクチャを整理していくことで実現する。例えば,プログラミング・モデルを共通化したり,統一フレームワークを採用したりするという。

 講演の後半では,同氏の担当でもあり,このほど日本でも発売されたExchange Server 2003に関する説明が行われた。新版はExchangeキャッシュ・モードという機能で,ネットワークの接続状況を自動的に考慮して使い勝手を上げる機能がある。また,Outlook Web AccessというWeb版クライアントの機能向上,アンチスパム機能の拡張,携帯電話への対応強化,バックアップ機能の改良などが強調された。コストの削減面では,Microsoft社内の例を基にサーバー数の削減が実現可能であることを示した。サイトという管理単位を減らしてサーバーを集約することで管理要員も削減できるという。

 講演の中では,開発中のSharePoint Portal Server新版と次期Officeに加わる新しいソフトInfoPath,Exchange Server 2003,開発中のSystems Management Server 2003のデモが行われた。SharePoint Portal Server新版のデモではシングル・サインオンで様々なシステムの情報が一元的に検索・閲覧できること,個人用のサイトが設置できることなどが示された。Exchangeのデモではスパムを防止する新機能の紹介などが行われた。Web版クライアントでExchange 2003を無償利用できる体験サイトも稼働中という。

(干場 一彦=日経Windowsプロ)