米MicrosoftのSteve Ballmer CEO(最高経営責任者)が,Windows XP Service Pack 2など同社が開発を進めているセキュリティ技術について相次ぎ講演している。4月6日にシアトルで1300人のMicrosoft MVP(Most Valuable Professionals)に対して行ったあと,ワシントンD.C.に飛んで米国国土安全保障省(DHS)のTom Ridge秘書官に会い,戦略・国際問題研究センター(CSIS)が開催したイベントで数百人のITプロフェッショナルに向けて話した。

 Ballmer氏のメッセージはすべてセキュリティに関するものである。同氏は,XP SP2に盛り込まれたセキュリティ指向の機能について説明した。Windowsファイアウォール,ポップアップ広告ブロックや不用意なダウンロードを防ぐ機能を備えたInternet Explorerなどがその内容だ。同時にMicrosoftがアクティブ・プロテクション技術と呼んでいる少し将来の技術について話した。具体的にはその1つにビヘイビア・ブロッキングというものがある。予期されていない処理を実行するプログラムがあると,自動的にセキュリティ設定を強化して,ユーザーに警告を出すという仕組みだ。

 同氏は,セキュリティ問題には個人やIT部門の管理が重要であるというメッセージも出した。「どんなに優れた錠前も玄関のドアが開け放たれていたり,鍵がドアの近くに隠されていたりすれば役に立たない」。つまり,ファイアウオールやウイルス対策ソフトもインストールして,更新して,常時稼働させておく必要があるということである。XP SP2のファイアウオールはデフォルトで稼働するようになっている。しかし,ユーザーは,ウイルス対策ソフトを別途購入して対策を完成させる必要がある。Ballmer氏はXP SP2がウイルス対策ソフトのいくつかと統合されている点を強調した。

 Ballmer氏にとって,同社製品のセキュリティをLinuxなどのオープン・ソース・ソフトウエアと比べられることは問題ではない。同氏は次のように述べている。――「Windowsシステムが狙われていることを認識している,なぜなら市場の95%を占めているからだ。市場占有率が高いOSであれば,何でも狙われる。われわれのOSは第一に狙われているが,対策にも最大の力を注いでいる」。また同氏は,Linuxコミュニティを指して,そのOSが市場占有率の低さにもかかわらず,比較的多くのセキュリティ上のぜい弱性を持っており,その修復速度はMicrosoftの修復速度よりも遅いと指摘した。

 また,最近Microsoftは米国20カ所においてセキュリティに関するイベントを次々と行っている。参加者は総勢50万人になる見込みで,参加者にはセキュリティの重要性,とりわけXP SP2に関する情報が説明されている。同社セキュリティ・ビジネス部門のコーポレート・バイス・プレジデントMike Nash氏が,セキュリティ指向製品について基調講演を行っている。講演で触れる製品としては,ゲートウエイ型のファイアウオール「Internet Security and Acceleration (ISA) Server 2004」,Windows Server 2003の修正プログラム「Windows Server 2003 SP1」(いずれも年内提供予定),「Advanced Client Inspection」(Windows Server 2003 SP1または2005年提供のWindows 2003 Release 2に入る機能)がある。

 Microsoftは,統合されたパッチ管理システムの提供も予定している。企業向けパッチ管理ソフトの新版「Windows Update Services(WUS)」,Windows Updateを改良して幅広いMS製品に対してパッチをするようになるサービス「Microsoft Update」などがある。Nash氏によれば,これらのシステムは年内に提供が始まる。

(Paul Thurrott)