(Bill Sheldon)

TechEd 2004でVisual Studio 2005が紹介される
 Microsoftが5月末にサンディエゴで開催した「TechEd 2004」は盛況だった。実際に,地元の消防署長が出席者数を制限した時には,ぎりぎりになってチケットを買おうとしていた多くの人ががっかりするほどだった。

 TechEdのほとんどの講演では,今現在で開発者や管理者が入手できるツールをどう強化するかに重点を置いて話をした。例えば,リリースされて導入が始まったばかりのアプリケーション(SharePoint Portal Server,BizTalk Server 2004,Office Live Communications Server 2003など)をカバーするような多くの教育セッションがあった。

 その一方で,MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏を含む少数の講演者は,将来の方向性についての話をした。基調講演でBallmer氏は,「Visual Studio Team System」の開発状況について発表した。Team Systemは,Microsoftが以前に「Whidbey」という開発コード名で呼んでいた「Visual Studio 2005」に組み込む様々な新しい特徴をすべて包含するものだ。

 この特徴の中には,「Whitehorse」(第5世代言語を使う開発エンジン)や,新しいプロジェクト管理機能,新しいチームベースの開発機能,新しいテスティング向け機能を含んでいる。こうした新しい特徴が実現されるのはまだ先の話だが,実際にリリースされる時期が近づいたら詳細をカバーするつもりだ。もし,この特徴についてより詳しく調べたいのならMicrosoftのWebサイトをチェックしてほしい(該当サイト(1)該当サイト(2))。

VB 6.0アプリを.NETに移行させる方法
64ビット化の動きが追い風に

 興味深くはあるが,こうした将来に関する議論は,現在のツールを強化する助けにはならない。しかし,幸いなことにTechEdは開発者向けの実践的なセッションを用意している。私が参加したセッションの1つは,Visual Basic(VB)6.0アプリケーションを.NETアプリケーションに移行させる方法に関するものだった。このセッションではVisual Studio .NETの移行機能について触れただけでなく,多くの人が使っているもう1つのツールである「Visual Basic Code Advisor」についても紹介した。

 Code Advisorの話をする前に,まだ.NET環境に移行していない開発者がなぜ移行すべきなのかを考えてみよう。多数の開発者が,様々な理由からまだCOMベースのアプリケーションに取り組んでいる。恐らく,.NET環境にスイッチする時間がないだけか,または技術的な必要からCOMベースのアプリケーションで止まっているのだ。

 理由がどうあれ,こうした開発者は.NETの世界へどう入っていくかを考え始める必要がある。なぜなら,将来のソフトウエアの拡張は別として,ハードウエアがIntelのItaniumなどの64ビット・プロセッサ・プラットフォームへ移り始めている事実があるからだ。

 現在の市場の大部分が支持しているのは,明らかに32ビット・アプリケーションとの互換性を重視しているAMDの64ビット・プロセッサ・プラットフォームである。もし,16ビット・アプリケーションを32ビット化するために苦労した経験があるなら,64ビット・アプリケーションへ移行させるための一番簡単な手段を探すだろう。

 Visual Studio 2005は,Windows.NET Framework内で64ビット・プロセッサをサポートしており,こうした移行を容易にするのに役立つ。Visual Studio 2005では,64ビットと32ビット・モードのどちらかで稼働する.NETアプリケーションを,Microsoftが提供する2つの環境の中継ぎする機能を使ってビルドできる。そのため,Visual Studio 2005への移行を考えるべきなのだ。

簡単に移行するには
ウィザードとCode Advisorを組み合わせる

 多くの開発者は,自分のVB 6.0アプリケーションを.NETに書き換える際に,全部のオブジェクトを手作業で再生成したいとは思わないだろう。幸いVisual Basic .NETのUpgrade Wizardを使えば,自動的にコードを書き換えてくれる。その半面,Upgrade Wizardを使ったことがあればご存じだろうが,コードの中によくあるバリアント型の変数や他の要素に問題が起こる傾向がある。

 この部分で,Visual Basic 6.0 Code Advisorが役に立つ。Code AdvisorはMicrosoftが2003年1月にリリースしたVB 6.0用のアドオンである。プロジェクトを評価してUpgrade Wizardが追加するのと同じようなコメントを出力する。違うのは,そのコメントを移行作業の“前に”見られるという点だ。そのため,どんな問題でも移行作業をする前に見つけ出して対応でき,それに応じた移行計画を立てられる。

 自分のコードを移行させる計画がなくても,Code Advisorは貴重なリソースになるはずだ。よりきれいで,ずっと整合性のあるコードを書く助けになるからである。きれいで整合性があるコードは高速に動作するし,維持するのもずっと簡単だ。Code Advisorはインターネットからダウンロードできる(該当サイト)。

 現時点でMicrosoftが提供する必要があるのは,Visual Studio .NETからVisual Studio 2005に移行するために使えるCode Advisorのバージョンだ。Visual Studio 2005には,新しいブラウザ・コントロールやグリッド・コントロールなど,現在のVisual Studio .NETではサポートされていない新しいコントロールを多数追加している。こうしたCode Advisorのバージョンがあれば,Visual Studio 2005がリリースされないと問題を修正できないわけではなく,現時点で開発者がVisual Studio 2005向けのコードを準備する助けになる。

 しかし,つまるところ最良の移行手段も使っても全く手間がかからなくなるわけではない。仮にアプリケーションの95パーセントを自動的にコンバートされたとしても,フルタイムで働く開発者10人が1年かかって作ったアプリケーションの5%を,手作業でコンバートしなければならないのでは,まだまだたくさんの作業が必要なことは変わらない。