Pentium Pro以降のx86プロセッサが備えるアドレス拡張機能。4Gバイトを超えるメモリー領域にアクセスするための仕組み。
 最初の32ビットx86プロセッサである80386は32ビットのアドレス・バスを備え,最大4Gバイトのメモリー容量(アドレス空間)を扱える。それらのメモリー領域を指定するのに,あるメモリー領域の範囲を表す「セグメント」と,そのセグメントの先頭からの位置(隔たり)である「オフセット」を使う。このときのアドレスを「論理アドレス」と呼ぶ。
 物理メモリーにアクセスするに当たって,プロセッサはまず論理アドレスから「リニア・アドレス」と呼ぶ32ビットのアドレスを生成する。これを論理アドレス変換と呼ぶ。次に「リニア・アドレス変換」と呼ぶページング処理をし,これら2段階のアドレス変換によって,物理アドレスを生成し,アクセスする。ページング処理とは,ハードディスクなどを利用して物理メモリー容量が小さくてもより大きなメモリー領域を扱えるようにする,仮想記憶のための仕組みである。
 これに対してPentium Pro以降はアドレス・バスが36ビットに拡張され,最大64Gバイトの物理メモリーを扱えるようになった。ただし,プログラムから4Gバイトを超えるメモリー領域全体を直接指定できるのではなく,4Gバイトのリニア・アドレス空間を64Gバイトの物理メモリー領域にマッピングすることで実現する。そのためにPentium Proではアドレス変換を3段階としている。