1つのダイ(半導体本体)に,複数のCPU機能を集積したマイクロプロセッサのこと。特に,2つのCPU機能を集積したものを「デュアルコアCPU」と呼ぶ。IntelとAdvanced MicroDevices(AMD)は,2005年にデュアルコアCPUの出荷を予定している。

 マルチコアCPUが市場に出てくるようになると,ソフトウエアのライセンスに関して不安が生じる。現在,特にサーバー向けでは,CPU単位のライセンスを採用している製品が多いからだ。マルチプロセッサ・システムでは,1台のコンピュータであってもCPUの数だけライセンス料が必要になる。これまでマルチコアCPUにもこの体系が適用されるのではないかという懸念があった。だがMicrosoftは2004年10月,マルチコアCPUでも,ライセンス料はCPU1個分にすると発表した。

 マルチコアCPUが注目され始めたのは,特にサーバーで複数のアプリケーションが並列動作するようになったこと,そしてCPUの熱に関する問題が表面化してきたことなどが原因だ。これまでCPUの高速化は,主に動作周波数の向上によってなされてきた。そして,より高い周波数で駆動するために,製造プロセスを微細化してきた。ただし,CPUの動作周波数が高くなればなるほど,消費電力が増え,発熱量が増加する。Pentium 4やAthlon64の中には,熱設計電力(Thermal DesignPower)が100Wを超える機種があるほどだ。

 単に発熱量が増えるだけではなく,製造プロセスが微細化されればされるほどダイが小さくなり,単位面積当たりの発熱量が増えてくる。そのため,現在のCPUは熱に関して限界に近いところまできており,動作周波数の向上だけでこれ以上高速化することが難しくなってきた。

 そこで,次の高速化手法として注目されたのがマルチコアである。マルチコアCPUはCPU全体の機能を複数個備える。1つのCPU(ダイ)ながら,ソフトウエアからは複数個のCPUが動作しているかのように見える。マルチコアCPUを使ったPCは,マルチプロセッサ・システムと同様な仕組みで動作する。

 Windowsのタスク・マネージャには,CPU2個分の情報が表示されることになる。ハイパースレッディング技術に似ているように感じるが,原理は全く異なる。ハイパースレッディングは,1つのCPUコアが備える複数の演算器をより効率よく利用するために,1個のCPUコアを2つのスレッドで利用できるようにする仕組みである。これに対してマルチコアCPUは,複数のCPUコアを備える。