Microsoftが開発したファイル・サーバー向けのバックアップ・ソフト。同社のシステム管理製品の1つで,正式名称は「System Center Data Protection Manager 2006(DPM)」である。以前は開発コード名で「Data Protection Server」と呼ばれていた。6月3日から日本語対応のベータ版が公開されており,同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 DPMは,ファイル・サーバーに保存したデータのバックアップとリストア作業を容易にしたのが特徴。Windowsが標準で備えるボリューム・シャドウ・コピー・サービス(VSS)を使って,瞬時にData Protection Serverが動作するサーバーのハードディスク上にバックアップする。設定によっては,1時間おきにバックアップしたり,リストア作業をエンドユーザー自身に任せたりすることが可能である。

 VSSは,ある時点でのファイルのイメージを保存する機能で,一般的にはスナップショットと呼ばれている。スナップショットは,バックアップ対象のデータへのリンク情報を保存し,実際のデータを保存するわけではない。しかし,データ量が小さく数秒で作成できるうえ,ファイルが使用中でもバックアップできるメリットがある。バックアップ対象のデータが更新される場合は,更新前のデータをハードディスクに退避して,バックアップする。

 VSSを利用しない場合,使用中のファイルをバックアップできなかったり,いったんサーバーをオフラインにしなければバックアップ・データの整合性を保てない問題があった。さらに,ファイル・サーバーのバックアップは,一般的に1日1回で,テープにバックアップするため,当日に更新したファイルを失う危険性や,データのリストア作業をシステム管理者に依頼しなければならない手間があった。

 DPMを動作させるサーバーには,保護するデータの2~3倍のハードディスク容量が推奨されている。ハードディスクがいっぱいになった場合は,テープ装置にバックアップする必要がある。バックアップ対象のファイル・サーバーには,DPMエージェントをインストールする。DPMベータ版ではファイル・サーバーのOSは,Windows Server 2003 SP 1,Windows Storage Server 2003 SP1,Windows 2000 Server SP4と更新プログラム894608を適用したものが対応している。また,エンドユーザーにリストア作業を任せるには,Windows XP SP2が必要となっている。