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 無停電電源装置(UPS)ベンダーのエーピーシー・ジャパン(以下APC)は2003年5月20日,今夏の発生が予想される電力不足についてのレポートを同社サイトで公表した。システム・ダウン時の金額的損失と2000年に発生した米国カリフォルニア州の電力不足を引用し,電源バックアップによる対処を促す。

 レポートによれば,予想される電力不足は3段階ある。(1)定格100V以下の電圧となる「電圧低下,ブラウンアウト(Brownout)」,(2)瞬間的に電圧低下が発生する「瞬停,サグ(Sag)」,(3)電力供給がなくなる「停電,ブラックアウト(Blackout)」----だ。

 UPSは上記の(1)と(2)に有効だ。UPS内部の「インバータ」と呼ばれる装置が電力を安定して供給する仕組みを持つ。ただし,(3)はUPS単体では対応できない。UPSの電源供給時間は「およそ10分以内」(マーケティング本部 メディアリレーションズ担当 山下泉氏)。そもそも停電時のUPS用途は,「システムのシャット・ダウンまでの時間を持たせること,もしくは,自家発電機が作動するまでの時間を持たせるもの」(同氏)と想定している。

 結局,長期間の停電には非常用電源や自家発電装置などが必要となる。レポートによれば,システム・ダウン時の損失は企業平均で1時間当たり約1008万円という。止められないシステムが増える中,止めるコストと止めないコストのバランスは取れているか,停電対策は適切か,などを再点検したい。なお,UPSによっては落雷によって発生する過電圧を吸収する「サージ機能」を備えるものもある。

(井上 英明=日経システム構築)