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 米EMCは2003年12月,仮想マシン・ソフト大手の米VMwareを買収した。EMCは現在,情報の価値に応じてデータを管理する「ILM(Information Lifecycle Management,情報ライフサイクル管理)」戦略の下,米VMware以外にも2つの会社(米Legato Systems,米Documentum)を買収したばかりだ。来日したEMC Technology Analysis担当DirectorのKen Steinhardt氏(写真)に,米VMwareの買収の目的とILMの展望を聞いた。(聞き手は日経システム構築の岡本藍)

---VMwareの買収の目的は
 EMCはストレージを仮想化する製品を提供してきた。異機種ストレージ間でのストレージ・リソースの割り当てや追加を行えるようにするプロビジョニングなど,ストレージ層の仮想化を進めてきた。一方でVMwareは,異なるOSを1つのマシンで動かす技術を持ち,サーバーの仮想化に対する豊富な知識と専門技術を持っている。
 両社の仮想化技術を組み合わせることで,マルチ・ベンダー環境であることをサーバーやストレージそれぞれに認識させなくてもよくなる。VMwareのサーバー仮想化技術は,ILM戦略にとって不可欠な技術である。米Legato Systemsや米Documentumの製品と合わせて使い,ILM戦略を加速化させていく。

---サーバーやストレージの仮想化とILMの関係は
 ILMの目的は,低コストで情報の価値を最大限に引き出せるようなストレージ環境を提供していくこと。サーバーやストレージの仮想化が実現すると,異機種サーバー/ストレージ間でのデータのやり取りが自由に行えるようになる。サーバーやストレージは本来の役割に集中できるようになるので,データの価値に応じて適切なサーバーやストレージが利用しやすくなる。ここまで来ると,次にネットワークの仮想化が重要になる。

---ネットワークの仮想化とは
 これまでネットワークは,サーバーとストレージの間のパスでしかなかった。ネットワークの仮想化とは,ネットワーク層で,ストレージやサーバーの管理が行えるようになることだ。例えば,スイッチにストレージ管理ソフトを搭載したり,スイッチがサーバーのファイル・システムを制御したりすることが考えられる。

---ILMによって何が変わるのか
 データが増えてもユーザー企業は管理者を増やすことなく,ポリシー・ベースで容易にデータが管理できるようになる。また,マルチ・ベンダーのストレージ環境がより構築しやすくなるので,ストレージ装置の選択肢は広がる。ストレージ装置のベンダーは,より良いものを作っていかなければ生き残れない。