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 SAPジャパンは7月,「SAP R/3」のアプリケーション部分を後継する「SAP ERP Central Component 5.00(ECC)」を,パッケージ製品「mySAP Business Suite」や「mySAP ERP」の新版に含めて出荷する(注)。今回のバージョンアップで約10年間使われてきた「R/3」という名称が消えることになる。

 R/3の一部をECCに置き換える理由を,SAPジャパン バイスプレジデント マーケティング・ソリューション統括本部長 玉木一郎氏は,「サービス指向のアーキテクチャに作り替えたため」と説明する。従来,R/3をユーザー自身が機能拡張したり他システムと連携させたりする場合,通常はABAPという独自言語を使ってソースコードを書き換えたりBAPIというアプリケーション・インタフェースを通じてアドオン・プログラムを開発したりしていた。今後は,SAPが提供するミドルウエア群「SAP NetWeaver」を利用して,ECCの機能をサービスとして呼び出す形態が中心になる。NetWeaverはJavaのアプリケーション・サーバーを含んでいるため,Javaを習得するだけでもSAPのカスタマイズができることになる。SAP製のアプリケーション・ソフトだけでなく,他社製のアプリケーション・ソフトとも連携することを想定している。

 ただし「7月に出荷するバージョンですべての機能にサービス指向のアーキテクチャが盛り込まれるわけではない。数年かけて順次,移行する」(ソリューション本部 ERPソリューションズ プログラムマネージャー 加藤慶一氏)。

 また,ECCは「BAPIとの互換性は維持する」(加藤氏)ため,BAPIを使って作成したモジュールは,ECCでも利用可能だと言う。

 R/3の保守期間は,最新版の「Enterprise」が2009年3月まで(契約により2012年3月まで延長可能),1つ前の「4.6c」が2006年12月まで(同2009年12月まで延長可能)。それ以前のバージョンは2003年12月で既に保守期間が切れている(同2006年12月まで延長可能)。

(尾崎 憲和=日経システム構築)

【注】
 厳密に言うと,R/3を構成する「コア」「エクステンションセット」「Webアプリケーション・サーバー」のうち,ECCに含まれるのは,コアとエクステンションセットの部分。Webアプリケーション・サーバーは,NetWeaverの機能として提供される。(5月21日追記)

【5月21日訂正】
 ECCはR/3の全機能を引き継ぐ製品ではないため,

 「SAP R/3」の後継製品を出荷する。後継製品の正式名称は「SAP ERP Central Component 5.00(ECC)」

の個所を

 「SAP R/3」のアプリケーション部分を後継する「SAP ERP Central Component 5.00(ECC)」を,パッケージ製品「mySAP Business Suite」や「mySAP ERP」の新版に含めて出荷する

に訂正しました。
同様に,「R/3からECCに名称変更した」の個所を「R/3の一部をECCに置き換える」に訂正しました。