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 NTTデータは,ホストからオープン系への移行サービスを7月から提供する。このレガシー・マイグレーションのサービス名は,「システム最適化コンサルティングサービス」と「システム資産移行サービス」。比較的オープン化しやすい情報系システムだけでなく,「オープン化の進んでいない基幹系のミッションクリティカルなシステム」(NTTデータ)もターゲットにしていることが特徴だ。

 レガシー・マイグレーションをスムーズに進めるために,移行ツールやミドルウエア群を用意している。その中で注目したいのは,NTTデータが独自に開発しているミドルウエア「PORTOMICS」である。市販ミドルウエアの機能を補うソフトで,市販ミドルとPORTOMICSを組み合わせてホストと同等の信頼性や運用性などを確保する。10月に完成する予定で,2006年度の中ごろから実システムへの適用を始める計画である。PORTOMICSの対応言語は,COBOL,C,Javaの予定。

 PORTOMICSを作成するにあたり,NTTデータは2003年から製品ベンダーを巻き込んだ取り組みを行ってきた。まず,ミッションクリティカル・システムを稼働させるのに必要な機能要件を同社が策定。その機能要件に基づいて製品ベンダーをヒアリングし,オープン系の製品を評価。不足機能があればそれを補うよう協力を仰いだ。ホストとオープン系の差は,「ハードウエアは小さいが,ソフトウエアは予想より大きかった」(NTTデータ 技術開発本部 副本部長の田口久照氏)という。

 NTTデータが策定した機能要件は約170ある。そのうち「現状製品では実現できていない解決すべき課題」とNTTデータがとらえている要件は,2004年1月時点で50弱あった。例えば,故障詳細情報の取得機能がある。オープン系のミドルウエアやOSは,故障の詳細情報を取得しようとした場合「メモリー全体のダンプを取る機能しか用意されていない。だがメモリー搭載量は多くなっており,ダンプを分析して故障の原因を短時間で突き止めるのは難しい」(NTTデータ 田口氏)。こうした問題を解決するための機能を製品ベンダーに求めた。

 ハードウエアや市販ミドルウエアで対応できない機能要件は,NTTデータが独自のミドルウエアで補う。それがPORTOMICSである。具体的には,想定負荷を超えると要求を抑止する「過負荷対策機能」や,異常アプリケーションのみを停止する「異常出口機能」などを備える。市販ミドルウエアのインタフェースの違いを吸収する役割も持っている。最終的に約170の機能要件のうち,10月時点では2つの機能要件がホストと同レベルに達しないと判断している。それは,「サーバー障害時の高速な待機系サーバーへの切り替え」と「サーバー間共有データベース処理」の2つである。

 この取り組みに参加したベンダーは,NEC,サン・マイクロシステムズ,日本IBM,日本ヒューレット・パッカード,日立製作所,富士通---の6社。各ベンダーは,NTTデータの求めに応じて機能拡張を進めている。拡張した機能は,PORTOMICSのためだけでなく,各製品の標準機能として提供されるようになる。

(松山 貴之=日経システム構築)