Oracle10gのJava標準開発環境「JDeveloper 10g」は,新しい開発フレームワーク Oracle Application Development Framework(ADF)を採用し,さらに生産性を高めることができる。またTOPLinkサポートが日本でも開始される。 J2EEアプリケーションの開発においては,アプリケーション全体をM(Model)―V(View)―C(Controller)*4に分割して開発がすすめられる。これまでにある多くのフレームワークは,このMVCの一部となるタイプ(ControllerとしてのStrutsなど)と,アプリケーションの定型的な定義をしてある程度のひな型を一括生成するコード生成タイプに分けることができる。 前者のMVCの一部となるタイプは,個々の部品として利用することしかできず,アプリケーション全体の開発は助けてくれない。ビジュアル開発でアプリケーション全体が開発できないため,J2EE熟練者が好むフレームワークとなっている。逆に後者の場合,一括してひな型コードが生成されるため,J2EEをよく理解していなくても開発でき,一定の品質を保ったアプリケーションができる。しかし,この手法では,フレームワークがひな型として生成した技術が押し付けられてしまう。このような一長一短のフレームワーク・ベースの開発に対して,ADFでは開発者が好みの技術を選び(図3[拡大表示]),ツールへプラグインして開発することを可能にする。そしてそれをビジュアル環境で実現できる。JDeveloper 10gには,JSP/HTMLビジュアル・エディタ,ページフロー・モデラーが統合され,開発はこのビジュアル・エディタ主体で進めていく。 ADFを使用することで,例えばデータベースに問い合わせるJ2EEアプリケーションの開発手順が次のように変化する。 1■データ・モデルの作成 2■データ・モデルに対するビジネス・ルールの定義 3■ページ・フローの作成
4■ページ・デザインの作成 5■イベント・アクション・ロジックの開発 TopLinkでオブジェクトとデータをマッピングTopLinkはJavaアプリケーションで使用するオブジェクト・タイプと,実際にデータベースに格納されているリレーショナル・データに対して,その間の関連付けをマッピング・パターンで詳細に構成するフレームワークである。このTopLinkによって,JDBCを使用した低レベルのデータベース・アクセスから完全にJavaアプリケーションを切り離すことができる。Javaアプリケーションの開発者は,通常のJavaオブジェクトを取り扱うようにデータベース中に存在するリレーショナル・データにアクセスすることができる。このデータベース・アクセス部分をTopLinkによって行うことで,性能を向上させるキャッシング,遅延読み込みなども同時に利用できる(写真7[拡大表示])。
|
Oracle Application Server 10g---Oracleとの最適な組み合わせ
障害対応とクラスタリングを強化(4/5)
あなたにお薦め
注目のイベント
日経クロステック Special
What's New
総合
- 新世代型CMDBがもたらす俊敏性と対応力
- ハイブリッド・プラットフォームは新世代へ
- あえて今、本社オフィスを拡張する理由とは
- 基盤を刷新、三密回避や在宅勤務拡大に貢献
- 4K大型提示装置が拓く新たな学びの世界
- DXを加速させるクラウド型コールセンター
- ものづくりと経営をデータでつなぐ試みとは
- 企業をまたいでERPを連携? 何が起こる
- 全方位DXを推進する意義。カバー範囲は
- DXを内製で実現する「3ステップ」
- 平等より特別の方がビジネスに有利な理由は
- 「データのサイロ化」の原因とその解決法
- 中小企業がDXで効果を上げるには?
- 深い業務理解で顧客を支援≫キヤノンMJ
- ソフトバンクの本気のクラウド事業のすごさ
- 5Gは産業界に大きなインパクトをもたらす
- セブン銀行のATM事業を支えるIT環境
- シチズン時計:クラウド・運用委託でDXへ
- 製造業DXを成功に導くための3つの勘所
- 世界に羽ばたく地域発スタートアップを支援
- 個性派の次代の主役たちがピッチに登場
- クラウド化を見据えたオンプレミスのあり方
- サポート業務にもBCP対策を!
- クラウドを軸に描くハイブリッドIT
- 変革を遂げる日本の製造業、次なる一手
- モバイルセキュリティの最前線は何処に?
- 富士通と日本IBMがローカル5Gで協業
- PPAP禁止!安全なファイル送信手段とは
- Kubernetes管理を圧倒的に簡便化
- コロナ禍のデジタル活用=DXではない理由
- IT企業が満足度1位に選んだクラウドとは
- 必須になるNW増強≫いま選ぶべき製品は?
- 経営層に求められるDXの船“進水”のコツ
- DX時代はヒト、「データ」、モノ、カネ?
- 少量の学習データでもAI活用が可能に!?
- 今後の開発は世界の優秀なギグの活用が必須
- つなぐポイントシステムが地域を盛り上げる
- 時代が変化、今こそ積極的適応が試される
- 有望なBtoBスタートアップが集結!
- 2021年は「MESH」が花開く時
- 導入事例/AMDサーバー向けプロセッサー
- DX先進企業は何を考えているか?
- 府中に開設された大規模データセンターとは
- バッテリ性能を高めるアクティブ・バランス
- IT人財の真価を発揮する人を軸とした戦略
- 製造業DXの効果的なセキュリティ対策とは
- 顧客の再来店と常連化を実現した施策を探る
- コロナ禍を勝ち抜くITインフラとは
- マルチクラウドを安全に使う≫最新CSPM
- 組織を守る「アイデンティティ管理」の極意