創業30周年を迎えるアシストが今年「購買代理店元年」を打ち出した。2002年も年初からBusinessObjectsの販売権を失うなど波瀾の幕開けだが,「非取り扱い製品」をWebポータルで発掘するなど,顧客密着戦略の強化が続く。

 「くやしいですよ。年間30億円の売り上げですから。(販売を)やめたくはなかった。今でもすごく残念と思っている」。アシストのビル・トッテン代表取締役は,2002年1月5日付で販売を終了した仏ビジネスオブジェクツ(BO)社製品についてこう語る。

 メインフレーム用の開発ツールや運用管理ツールを中心に「総販売代理店」の代表格とも言えたアシストが創業30周年の今年,「購買代理店元年」を打ち出した(図1)。“顧客の立場で必要な時に必要なものを適正な価格で調達する”という購買代理店のモデルは,同社の「顧客との密着」という強みを伸ばす戦略。新しい扱い製品を発掘するWeb上の情報ポータル・サイトの開設,製品知識を生かした有償コンサルティング事業への着手など,次世代のビジネスモデルの模索が始まった。

安定収入支える「顧客密着」

 今回のBO製品に限らず,アシストは99年末に米コンピュウエア製品,さらにさかのぼれば97年には当時の売り上げの約半分の90億円(推定)を占めていた米コンピュータ・アソシエイツ(CA)製品の独占販売・サポート権を失った。97年に販売を開始した米オーラム(現蘭バーン)の営業支援/顧客管理ソフト,98年に参入した中小企業向けの販売管理システム構築事業*1も,ともに販売不振から2000年に撤退を余儀なくされた。

 こうした荒波にもまれながら,アシストの売上高は97年度(12月期)以後2001年度までほぼ横ばいか前年度比プラス(図2),「従業員(現在約700人)も毎年40~50人の新卒を採用,退社も同程度で従業員1人当たり売上高はあまり変動していない」(広報)。BO製品抜きの2002年度も売り上げ目標は180億円としている。

 アシストの“しぶとい”業績を支えているのが営業,サポート両面での「顧客との密着」の強さだ。オムロンの情報システム子会社でユーザーとして付き合いの長いオムロン アルファテック(東京都港区)の市川勝一社長はアシストの良さを「スポットではなくコンスタントな営業であること,顧客の課題をピンポイントで解決する単機能のツールを提案するので安くつくこと」と評する。

 アシストの営業には今も「週15件以上顧客/見込み客にコール(訪問か電話)する」という規則がある。これが意外に収益源にもなるようだ。新キャタピラー三菱グループのSCMシステムサービス(SCMSS,神奈川県相模原市,曽我道春代表取締役)の新野昭夫取締役企画推進部長は「プロセッサの増設をするとアシストの営業はどこから聞きつけるのか,すぐやってきてきちんと能力増強分のライセンス料金のアップを稼いでいく」と苦笑する。

(千田 淳)