Javaのソフト部品を開発するためのフレームワーク製品が続々と登場してきた。ソフト開発の生産性が高まるだけでなく,ソフト部品の再利用が容易になる。フレームワークの普及が,ソフト部品流通を現実のものにしそうだ。

 「多数のフレームワーク製品が出てきたことで,Javaソフト部品の数が増えてくる。フレームワークの普及は部品流通の起爆剤になる」。

 EJB(エンタープライズJavaビーンズ)部品のeマーケットプレイス(仮想取引所)を運営するコンポーネントスクエア(東京都港区)の田村俊明社長は,最近のフレームワーク製品の登場がソフト部品の流通市場を活生化すると見る。

 フレームワーク製品は,開発標準の規程,開発支援環境,汎用的な機能を集めたソフト・ライブラリなどで構成される。標準規定に沿うことでシステム・プロバイダは,ソフト品質を均一化できるほか,再利用度が高いソフト部品を作れるようになる。フレームワーク製品に含まれるソフト部品をお手本にすれば,経験が浅い技術者でもソフト部品を開発できるようにもなる。

 こうした技術的なメリットを背景に,システム・プロバイダのビジネスにも大きな変化をもたらすことになる。フレームワークは,Webアプリケーション(Web-AP)サーバー製品からも独立しているだけに,特定の製品に依存しないシステム・プロバイダ間の協業も可能になるし,互いにソフト部品を融通しあうこともできる。こうした土台ができて初めて,近年話題になっているソフト部品の流通が,いよいよ現実味を帯びて来る(図1)。

3タイプあるフレームワーク

 昨年から売れ行きが本格化してきたフレームワーク製品は大きく三つに分けられる(56ページの表)。一つは,ソフト部品の仮想取引所の標準として提供されるフレームワーク。cBankを運営するイーシー・ワン(EC-One,東京都中央区,加山幸浩社長)のcFrameworkと,コンポーネントセンターを運営する富士通のComponentAA/ Ejbean Patternである。

 EC-Oneの最首英裕副社長は「フレームワークをベースに一企業内で部品を再利用することは既に一般化してきた。cFrameworkを社内標準に位置付けた日立製作所などは3000人ものSE(システム・エンジニア)がソフト部品を再利用しているのだから,企業の枠を越えることは,そう難しいことではなくなった」と部品流通の実現が近いと説明する。

(佐山 明人)