製造業中心の大容量ファイル・サーバー関連から,映像配信やバックアップ・システムなどへとNAS市場が広がっている。だが2001年から新規参入ベンダーが相次ぎ価格競争が激化。 システム・プロバイダは付加価値サービスの拡充を図っている。

 NAS(ネットワーク接続型ストレージ)市場は2000年から2001年にかけて高成長が続いた。日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp),EMCジャパン,オースペックスなどの既存メーカーに加えて,2001年以後大手サーバー・メーカーが次々と市場に参入したことで,販売競争が激しくなっている。

図1●国内NAS市場の大手3ベンダーの出荷金額(本誌推定)
(日経システムプロバイダ作成)

 矢野経済研究所の調査によると,2000年度のNASの出荷金額は119億円で,NetApp,EMC,オースペックスの3社で96.6%のシェアを占めた。2001年度の出荷金額は約3倍の330億円に拡大するものの,3社のシェアは63%に低下する見込み。

 本誌の調査でも,NAS先行3社の出荷金額は合計で2000年度が113億円,2001年度は203億円だ(図1[拡大表示])。2002年度も362億円で前年度比78%増と好調が続く見込みだが,新規参入ベンダーもストレージ事業を強化しており混戦になりそうだ(表)。

 こうした中で,2000年からNASを販売していたサン・マイクロシステムズは,1月上旬に自社製NASの販売から撤退した。「ユーザーから(サンの)NAS専用製品が求められていなかった。サンが得意な分野にフォーカスしていく」とサン日本法人は説明する。

幅広い分野での需要

 NetAppの2001年度の販売金額(本誌推定)は2000年度から倍増の120億円,2002年度は88%増の225億円を目標にしている。

 2001年後半から力を入れ始めた製造業向けのファイル・サーバー以外の用途拡大がカギを握る。不景気で製造業の需要が落ち込んだが「ブロードバンドの普及で映像などCDN(コンテンツ配信ネットワーク)関連企業からの需要が伸び,キャッシュ・サーバーを組み合わせた販売が好調だった」と鈴木康正社長は話す。2001年は新日鉄ソリューションズ(東京都中央区,棚橋康郎社長)など新規販売パートナを次々に獲得したことも業績に貢献した。

 EMCもNASの販売実績を着実に伸ばしている。2001年度の販売金額(本誌推定)は61億円で前年度比75%増。2002年度も75%増の107億円を見込んでいる。

(中井 奨)