昨年秋のウイルス騒動を契機にウイルス対策を見直す企業が増えている。特にウイルス対策にあまり取り組んでこなかった中堅・中小企業の間ではASP型ウイルス対策サービスが人気を呼び始めた。

図1●電子メール媒介型のウイルス対策を行うASPサービス。手軽に短期間で導入できることから
利用が増えている。提供企業は,24時間監視のほかに,最新のウイルス定義ファイルの導入,
ウイルス駆除実績の報告といった運用サービスとともに提供する

(日経システムプロバイダ作成)

 昨年秋,企業ネットワークで猛威を振るったNimda,CodeRedは最も深刻な被害を与えたウイルスだ。数多くの企業がシステムの停止に追い込まれ,中には社会的信用を失ったところも少なくない。こうした事態がきっかけになり,ウイルス対策に目を向ける企業トップが増えている。

 そこで注目を集め始めたのがASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)型のウイルス対策サービスである。電子メールのウイルス対策を手掛けるASPサービス「ウイルスフリー・ゲートウェイサービス」を提供している日本ビジネスコンピューター(JBCC)の仲西敏雄取締役兼執行役員ネットワーク事業部ネットワーク企画担当は「昨年秋にウイルス騒動が起こって以来,売り上げは毎月倍々ゲームで増えている」と,確かな手ごたえを感じている。

 ホスティング・サービスを利用しているユーザー企業を対象にオプション・サービスとしてウイルス対策「ウイルスチェックプラス」を提供しているNTT-ME(東京都千代田区,池田茂社長)でも,昨年10月からウイルス対策を契約するユーザー企業が増えている。ASPサービスを担当する田畠孝之マーケティング本部21ITサービス事業本部ASPビジネス部門主査は「昨年10月までのウイルスチェックプラスの契約率は30%程度にすぎなかったが,最近では50%を超えるようになった。連日のようにウイルスの被害が報道されたため,顧客はもちろん,パートナ企業の営業担当者の意識も変わってきたからではないか」と話す。

 ウイルス対策に対する企業経営者の関心が高まるのに伴い,ASP型ウイルス対策サービスはシステム・プロバイダにとって魅力的な「商材」の一つになってきた。新たにASP型ウイルス対策サービスの提供を始めたり,既存のIT(情報技術)サービスのメニューにASP型ウイルス対策サービスを追加したりするシステム・プロバイダが相次いでいる。大塚商会もその一つだ。

xSP事業者向けサービスも

 同社は今年4月からISP(インターネット・サービス・プロバイダ)向けのASP型ウイルス対策サービス「ASP版 VirusWall E-Mail Service」の提供を開始した。北川達史マーケティング本部テクニカル販売促進部課長代理は「ISPにとっても,電子メールのウイルス対策は,今やなくてはならない会員向けサービスの一つになりつつある。ASP版VirusWall E-Mail Serviceを導入すれば,中小のISPは自前でシステム開発や運用をしなくても,ウイルス対策サービスを会員に提供できる」と話す。

(佐竹 三江)