NTT-Xのeラーニング事業が好調だ。システムの機能や教材を売り込むのではなく、見込み顧客の要件に合わせた教育計画を提案するコンサルティング営業に力を入れ、順調にユーザー数を伸ばした。

 エヌ・ティ・ティエックス(NTT-X、東京都千代田区、中嶋孝夫社長)が99年11月に提供を開始したイーキューブラーニングのユーザー数は2002年11月末時点で、250社、15万人に上る(図1[拡大表示])。2001年度(3月期)には売り上げが約20億円になり、単年度黒字も達成した。調査会社の富士経済によれば、新規参入が相次ぐeラーニング市場でイーキューブラーニングのシェアは2001年度に1割強を占める。

 イーキューブラーニングの好調を支えている要因は大きく二つある(図2[拡大表示])。一つは、新規顧客を確実に開拓するための営業手法の確立だ。

 NTT-Xも当初、イーキューブラーニングの営業では、情報システムや教材の優位点を売り込んでいた。米国最大手の教育コンテンツ提供企業CBTシステムズ(現スキルソフト)と独占提携し、CBTのコンテンツを日本語化するなど教材の品揃えに力を入れてきたからだ。それでも「他社との大きな差別化は望めず価格競争に陥ってしまうし、規模が大きい案件も獲得しにくかった」(Eラーニング事業部の仲林清事業部長)のが実態だった。

図1●NTT-Xのeラーニング・サービス,イーキューブ・ラーニングの販売実績と商品概要
 
図2●新規開拓と既存顧客の流出防止の二つのサービスの確立が好調の理由

約10種のひな型が武器に

 そこで2001年から、ユーザー企業が求めているのは「システムや技術ではなく、教育を成功させるためのノウハウだ」(中林事業部長)と判断し、営業段階での人材育成コンサルティングを重視する戦略に転換した。

 eラーニング・システムの営業で問題になるのは、教育が必要なことは分かっていても、eラーニング・システムを使って、どう実現すればよいかが分からないユーザーが多いことだ。例えば、あるIT(情報技術)関連資格を社員に取らせようとしても、その実現方法は、教育にかけられる期間や対象になる人数などによって変わってくる。

 そこで、イーキューブラーニングの営業担当者は顧客に、教材や試験をどういうスケジュールで実施していくのかや、知識と実践力をバランスよく身に付けさせるための教材を選定したり、多数の受講者の学習意欲を維持するために集合研修との組み合わせやテレビ会議の活用を促したり、といった運営方法を提案する。

(森重 和春)