シスコシステムズが、IP電話市場に本腰を入れ始めた。シスコ製品と互換製のあるソリューションの開発や販売を支援するパートナ・プログラムを3月20日に開始、単なる電話の置き換えにとどまらない新市場の開拓を急ぐ。

 シスコが開始した支援プログラムは、パートナにIP電話と企業の情報システムを統合したソリューションの開発を促すことで新市場を開拓し、VoIP(ボイス・オーバーIP)ゲートウェイやIP-PBX、IP電話機など、関連製品の拡販につなげるのが狙いだ。

図●シスコはパートナに対して、技術、マーケティング、営業面で支援し、IPコミュニケーションの 新市場を開拓し、売り上げ拡大を図る

 IP電話の導入に当たっては、既存の電話網を置き換えるだけでは、ユーザーのメリットは通話コストや管理コストの削減にとどまる。CRM(カスタマ・リレーションシップ管理)などの業務アプリケーションとの連携や、メールやファックスと音声通話を統合するユニファイド・メッセージングといった付加価値があってこそ「顧客の生産性を高め、顧客の新たなIT投資につなげることができる」(山中理恵執行役員マーケティング担当)。そのためシスコは、得意分野を持つパートナと協業してソリューションの品ぞろえを急ぐ必要があると判断した。

 支援プログラムは2種類。シスコの通話制御ソフトCallManagerのインタフェース情報公開などの技術サポートにより、シスコ製品と相互接続性のある製品の開発を支援する「デベロッパサポートプログラム」と、シスコ製品との相互接続性の認定プログラムや、共同マーケティング、共同セールス、システム導入後の技術サポートなどを提供する「AVVIDパートナープログラム」から成る([拡大表示])。

事例ベースでソリューションを作る

 AVVIDパートナープログラムには既に、三洋マルチメディア鳥取(鳥取市、和田好生社長)が米シスコとの契約で参加している。今後はNECやリコー、ジェイアール東日本情報システム(JEIS、東京都渋谷区、結城淳一社長)、日本証券テクノロジー(東京都中央区、東常修也社長)などがプログラムに参加する予定だ。今年度中に国内25社程度のパートナを開拓するほか、米国で認定されたソリューションを国内に持ち込み、合計30種類ほどのソリューションを用意したい考え。

 パートナの開拓ではまず、IP電話関連の製品を持つ企業にAVVIDパートナープログラムへの参加を促す。また、ユーザー企業が実際に導入したシステムを製品化することにも力を入れる。例えばJEISは、自社で導入したIP電話とパソコンを連携して利用可能なアプリケーションを製品化して外販することを検討中だ。

 シスコは、約400社にIP電話製品群の導入実績があり、2003年には前年比2.5~3倍の成長を見込む。売上比率においてIP電話やセキュリティ、ストレージ・ネットワークなど、ルーターやスイッチといった既存のネットワーク機器以外の成長分野を、早期に2割程度まで引き上げることを計画している。

(森重)