ITサービス業界の2003年1~3月期の業況判断指数はワースト記録を塗り替えた。顧客の投資意欲はこれから高くなるという見方もあるが、景気に不透明感が強まり、先行きに予断を許さない。

図1●ITサービス業界の業況DI*1の変化。
業況、売り上げ、粗利益率のいずれのDIも調査を開始してから最も悪い数値になり、3カ月前の予想を大きく下回った。今回は96社*2が回答
 ITサービス業界を取り巻く環境は一向に好転する気配を見せない。

 本誌が有力ITサービス企業の協力を得て四半期ごとに実施している「ITサービス業の業況調査」は今回で18回目を迎えた。17回目の前回調査(2002年10~12月期)の業況DI(ディフュージョン・インデックス)はマイナス37と、前々回調査(2002年7~9月期)のマイナス41に比べて若干回復し、最悪の底割れだけは回避したと安堵したのも束の間、2003年1~3月期の業況DIはマイナス46と、ワースト記録を塗り替えてしまった。

 あるソフト会社の幹部は「顧客はIT投資の計画を立てているが、景気の先行きが不透明なため、なかなか投資に踏み切れないようだ」とあきらめ顔で話す。また、ある販社の幹部は「この四半期はひどかった。不況のあおりを受けて、ほぼすべての業種で投資意欲は減退していた」となすすべもない。

期待を裏切られた今回の結果

 昨年秋に発表されたITサービス企業各社の2002年9月期の中間決算では、売上高や利益が前年同期に比べて落ち込んだ企業が少なくなかった。にもかかわらず、ITサービス業界は上半期よりも下半期のほうの受注金額が大きくなるという過去の実績を根拠に挙げ、「下半期(2002年10~2003年3月)に業績は回復する」と淡い期待を抱くところが圧倒的に多かった。

 しかし、今回の業況調査を見ると、期待は裏切られてしまったようだ。5月初めから2003年3月期の決算発表が相次ぐが、それまでに下方修正を発表するITサービス企業があっても不思議ではない。

 売り上げDIと粗利益率DIを見ると、その兆候は現れている。今回の調査では、どちらもワースト記録を塗り替えた。売り上げDIはマイナス11と、前回調査を14ポイント下回り、前回調査時点での予想に比べると16ポイントも悪化した。粗利益率DIに至っては、マイナス26と前回の調査を13ポイント下回り、予想に比べて21ポイントも低い。

(山根 太郎)