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売れ行きが鈍化するIAサーバー市場で、Linux搭載サーバーは売り上げを急速に伸ばしている。 主に商用UNIXシステムを使っているユーザーのリプレース、e-Japan関連のシステムなどがけん引役だ。 メーカーの技術支援体制が充実したこともあり、安心できるシステムとして認知されてきている。

 Solarisユーザーを狙え―。日本IBMがLinuxをOSとして搭載するIA(インテル・アーキテクチャ)サーバー「xSeries」の拡販に掲げたスローガンだ。商用UNIXサーバーと比べてコストパフォーマンスに優れるLinuxサーバーを担いで日本IBMが売り込む先は、宿敵サン・マイクロシステムズ製ミッドレンジやローエンド・サーバー機が席巻したWebサーバーやメール・サーバー市場だ。

 「iDC事業者を中心に1999年ごろに導入したSolarisユーザーは近々リプレースを迎える。そこを狙って拡販を強化する」と、日本IBMのシステム製品IAサーバー&PWS事業部の岩井淳文事業部長は語る。

 狙いはそれだけではない。Linuxサーバー上で稼働するビジネス・アプリケーションなどを積極的に検証することで、基幹系システムへの進出も視野に入れている。日本IBMに限らず、Linuxを搭載した新型ブレード・サーバーを開発中の富士通、米イージェネラ製の高性能ブレード・サーバーの販売代理店となった伊藤忠テクノサイエンスなども同様の戦略を描いている。フロント系のシステムを起点に、基幹系システムへと触手が伸び始めているのだ。

Linuxブーム再び

 2002年度のIAサーバー市場は10%程度落ち込んだものの、Linux搭載IAサーバーだけは堅調な伸びを見せている。本誌の推定では、IAサーバー・メーカー主要6社の2002年度出荷実績を合わせると、Linuxサーバーの出荷数量は2001年度の1万9000台から、2002年度は57%増の約3万台となった。2003年度はさらに増加に拍車がかかり、IAサーバーの中でLinuxを搭載したマシンが10~15%を占める見込みで、4万台を超える勢いだ。

 メーカー各社の担当者は「2002年末から急速にLinuxサーバーの出荷が増えた」と口をそろえる。「これまで1社当たり数台といった“お試し”だった企業が、数百台単位の大口で購入するケースが増えている」(日立製作所)。

 実際、本誌2月28日号でも紹介したように、ツタヤオンラインが基幹システムでLinuxサーバーを採用するなど、大規模かつ基幹業務に近いシステムで活用する事例が目立ってきた。「日本のLinux市場は欧米に比べて2年遅れていたが、2002年末からLinuxムードが一気に盛り上がっている」と日本ヒューレット・パッカード(HP)のクロスインダストリ ソリューション本部Linuxマーケティング部の宇佐美茂男部長は話す。

 その背景には、電子政府や電子自治体がシステムのプラットホームの選択肢としてLinuxを選ぶという機運が高まってきたこともある。「もはや自治体の案件でLinuxシステムを提案しないわけにはいかない」(富士通)という状態だ。

(渡辺 一正)