「休みの日に友人たちと遊ぶんですが、仕事はそれと同じくらい好きです」。明るい顔で言うのは、シーイーシー(CEC)の山辺和篤。わずか入社3年半で、新規顧客からの受注額が社内トップになった。

 山辺の特技は、物怖じせず他人と話せることに加え、聞き上手であること。「営業の経験は短いけど、会話の中から得られるものはたくさんあります」と話す。入社2カ月目に初めてまとめた商談は山辺らしいケース。上司から言われて参加したメール監視ソフトのセミナーで、隣りに座った人に名刺を差し出したところ、話が弾んで意気投合。「価格が100万円未満だと、稟議を通さなくてもすむ」という本音を聞き漏らさず、早速、上司と価格交渉をして、初の受注につなげた。

 この話がきっかけになって、取引が始まった。「先方がちょうど情報システムを整備しなければならない時期で、いろいろ相談していただけました」。時にはライバル企業に負けた案件もあったが、そんな時は敗因を聞きに必ず顧客のところに出向いた。

 聞き上手な山辺だが、単なるご用聞きとは違う。「顧客が初めに提示した要件が絶対とは限らない」と考えている山辺は、要件の実現が難しいと判断すると「代わりに、こういう形にしてもよろしいですか」と、逆提案の機会をうかがう。ある顧客が安定性を重視し、UNIXサーバーを指定していたところ、FT(フォールトトレラント)型のWindowsサーバーの採用を働きかけ、逆転勝利したこともあった。

 そんな山辺にも大きな失敗がある。仕事を抱え込んでしまい、無理がたたって体調を崩したことだ。山辺は「『終わりました』と報告するだけで、途中の経過を説明したり、助けを求めたりしなかった」と反省する。今は途中経過もきちんと報告し、1人で抱え込まないように「すぐに適切と思う人にお願いしています」と笑う。

山辺 和篤(やまべ かずま)氏

1978年3月14日生まれ。2000年3月青山学院大学理工学部経営工学科を卒業し、4月にシーイーシーに入社。ネットワークインテグレーション事業部営業部、サービス事業本部ネットワークサービス部を経て、2003年2月からソリューション営業本部ITサービス営業部。週末になると、友人たちと多摩川の河川敷でフットサルとバーベキューを楽しむ。学生時代は大学内のサークル連合の三役を務めた。



文中敬称略=佐竹