ローエンド市場での価格競争が激化し、縮小すると思われた データベース(DB)市場に回復の兆しが見えてきた。 商用UNIX向けで、メインフレームのリプレース商談など 基幹系用途の導入が堅調に伸びた効果も大きい。

 本誌の取材によると2003年度(2004年3月期)のWindowsおよび商用UNIX向け主要データベース(DB)ソフトのメーカー出荷金額合計は886億円で、2002年度(2003年3月期)の809億円に比べ9.5%増える見込みとなった。OS別に見ると、Windowsでは361億円から415億円に、商用UNIXでは448億円から471億円になる見込みだ。伸び率はWindowsで15.0%、商用UNIXで5.1%だ。

 2002年度には、日本IBMや日本オラクル、マイクロソフトなどが低価格製品を投入した。そのためDBソフト市場の金額規模は縮小するかと思われたが、実際には拡大している。日本オラクルの杉崎正之マーケティング本部システム製品マーケティンググループシニアマネジャーは「確かに低価格化で1本当たりの売り上げは下がったが、2002年秋を境に投資が戻ってきたのと、Windowsなどローエンド向け商材で本数を稼げたことで、通期では伸びた」と話す。

 いまだにオープン系DBソフトの市場規模の過半を占めている商用UNIX版の販売が堅調だったことも大きい。日本IBMの中川いち朗ソフトウェア事業インフォメーション・マネジメント事業部長は「AIX向けの販売は全く鈍化していない。むしろコンスタントに伸びている」と語る。日本オラクルの杉崎シニアマネジャーも「2003年後半からメインフレームのリプレース商談が増えたため、UNIX版が伸びた」と話す。

 Linux版の販売も本格化しそうだ。各社への取材を基に、Linux向けのDBソフト市場の規模を試算すると、2002年度が13億円、2003年度は24億円になる見込みだ。Linux版の売り上げ比率が最も高いのは日本オラクル。杉崎シニアマネジャーは「2002年度がオープン系全体の3~4%。2003年度は6~7%になりそう」と語る。UFJ銀行が基幹系システムに採用するなど、Linuxの採用を決定する大手企業が増えており、「ライセンス料金だけで5000万円を超える大型商談が複数出てきた」(同)という。

さらなるローエンド狙うオラクル

 2002年度に日本オラクルの売り上げが伸びた要因として、杉崎シニアマネジャーは、2002年2月に投入したOracle9i Standard Editionの低価格版の成功を挙げる。これはWindows版およびLinux版を定価の約半額の98万円で提供するというもの。「新規販売本数の5~6割がこのキャンペーン価格で売れている。マイクロソフトが得意とするミッドレンジ領域にフィットした」(同)。

 日本オラクルはさらにローエンド寄りの市場にも触手を伸ばし始めた。「2003年12月に投入した74万8000円の1プロセッサ限定版では、これまで全く見えていなかった領域を狙う。例えばデスクトップ用の安いPCで動かしたり、低価格の業務アプリケーションに安く組み込んだりといった市場だ」(同)。

 こうしたミッドレンジやローエンド領域では、もはやパートナーがDBソフトの単体での販売や導入サービスで収益を上げることは難しい。業務アプリケーションや運用支援サービスなど、ユーザーのメリットが分かりやすい商材の充実度が、パートナーの支持獲得の鍵になりそうだ。

 日本オラクルが最近採った対応策の1つが、2003年2月に開始したOracle Partner Network Member Partner(OPNMP)という新しいパートナー制度だ。登録企業にはパッケージ組み込み用のライセンスを定価の20%の価格で提供する。目標は1000社で、現在の登録企業は約800社だ。

(佐竹 三江)