マイクロソフトが3年ぶりに中小企業向けの戦略製品を投入した。北海道から沖縄までの市町村を回り、連日のように中小経営者向けのセミナーを開くなど、“どぶ板を踏む”啓蒙活動の成果を反映した商材で、 パートナーからの引きは好調だ。

 2004年2月2日にマイクロソフトが出荷開始した中小企業向け製品Windows Small Business Server 2003(SBS2003)。同社にとって、中小企業向けでは“3度目の正直”ともいえる商品投入だ。前バージョンのSmall Business Server 2000(SBS2000)の投入から3年近くが経過している。

 この間にマイクロソフトが最も力を入れたのは、製品開発ではなく、中小企業とそこに売り込むパートナーへの啓蒙活動だ。過去の苦戦から、この層にマイクロソフト製品を売り込むには、経営にとってのIT化の必要性を認識してもらう、という土壌作りから始めるしかない、と判断したからだ。

 2001年10月に新設した中小企業向けのビジネス専門のパートナープログラム「IT推進全国会」は、従来の認定パートナー制度と違って、Windows製品を販売していさえすれば、無償で参加できる。このプログラムの目玉である「マイクロソフトIT体験キャラバン」も、従来の同社とは打って変わった泥臭いものだ。全国の都道府県、市町村を細かく回り、パートナーのソリューションを紹介するセミナーだけでなく、地元の中小経営者向けに「IT実践塾」と呼ぶ無料の啓蒙セミナーを年間130カ所で開催してきた。

 こうした活動によりマイクロソフトはこれまでに約300の地場パートナーを組織化した。同社でSBS2003を担当する川岡誠司サーバープラットフォームビジネス本部Windows Server製品部シニアプロダクトマネージャは、「以前よりも中小企業の現状がよく把握できた。その結果、これまでよりも単純だが、有効な製品戦略や販売戦略が見えてきた」と話す。

 例えば、「これまでのSBS製品に対しては、機能は多いが高いとか、マイクロソフトが何を売りたいのか見えない、という指摘が多かった」(川岡マネージャ)。そこで投入したのがSBS2003 Standard Edi tion。従来よりも機能を絞り込んだ上で、価格を現行製品のSBS2000の半額以下に抑えた。

(佐竹 三江)