NTTビジネスアソシエの業務代行サービスの基盤となる人事・給与システム商談は、過去の営業ノウハウが通用しなかった。内諾を得てから、売り上げ計上への道のりは長かった。(文中敬称略)

 「当初思っていたよりも、手間のかかる商談だった」。アイテックスのシステム推進本部HCMコンサルタント主査の大山弥生は、NTTビジネスアソシエ(NTT-BA)から受注した人事・給与システムの商談をこう振り返る。2003年3月にNTT-BAからシステム発注の内諾をもらい、通常の商談なら、この時点で主要な作業をSE(システムエンジニア)にバトンタッチする。それが今回、さらなる営業活動が大山を待っていたのだ。

 アイテックスは人事・給与専業のソリューションプロバイダ。大山が取り組んだ商談は、NTT-BAが手がける業務代行(アウトソーシング)サービスの基盤となるシステムの導入だ。NTT-BAは、1999年にNTTの経理や人事などの間接部門が分社化したシェアドサービス企業。給与計算など、グループ企業の管理業務を請け負っている。2002年5月には、NTT東日本、NTT西日本の支社の間接部門が33社の地域会社として分離、NTT-BAの子会社となった。新システムは、地域会社が独自に受託業務を展開するための基盤になる。NTTグループは全国に400社以上ある。アイテックスにとっては、きわめて魅力的な商談だった。

 NTT-BAが新システムの検討を本格的に始めたのは、2002年夏。主に従業員が500~1000人の企業の業務を代行することを想定して、各地域会社に導入する人事・給与システムの選定を始めた。

 NTT-BAは、NTTコミュニケーションズやNTT東西が主な受託元で、2002年には米ピープルソフトのERP(統合基幹業務システム)を使って大規模な人事・給与システムを構築していた。しかし、500~1000人規模の企業の業務代行用にはコスト高になるし、グループ企業といっても業種は千差万別で、ピープルソフトで作り込んだ業務とは必ずしも共通ではない。将来は地域会社にグループ以外の企業の業務代行もやらせたいという狙いもあり、異なる様々な給与体系や人事制度を柔軟に反映できるシステムを新たに選ぶことにした。

(森重 和春)