日立造船情報システムが山G建設の会計システム再構築を受注した。ERPをインフラ部品と割り切るユーザー企業と、営業コストをかけないテンプレートビジネスが合致した短期商談だ。 (文中敬称略)

 「バックオフィスで動く基幹システムで業務を変えようとは期待していない。重要なのは、そこにある情報を生かせるかどうか。強みを発揮するための業務プロセスは独自に開発する」。

 山崎建設業務管理部長の北雅雄は、同社のシステム開発方針をこう説明する。

 その山崎建設は2004年4月、会計システムを再構築し、本番稼働させた。受注・構築したのは、日立造船情報システム。ERP(統合基幹業務システム)ソフトのOracle E-Business Suite(EBS、米オラクル製)と、自社開発した建設業向けテンプレート(ひな型)のSSECを使うことで、正式受注からテストやデータ移行、ユーザー教育を含む本稼働までを約1年の短期間で終えた。

 だが、日立造船情報のテンプレートが効力を発揮したのは、むしろ商談の過程にある。2002年10月の初回訪問から、わずか2カ月後の12月には受注の内諾を得、翌年2月には正式契約を結んだ。

サポート切れ対策が第1要因

 山崎建設はそれまで、会計システムを自社開発してきた。約9年間使ってきたが、システムそのものに「新たな要求があったわけではない」(北)。ただ、会計システムが動作しているデータベースのOracle7が、2003年末にサポート切れを迎えるなどの問題があった。山′嚼ンは2002年9月に「止むに止まれず会計システムの再構築を決めた」(同)。

 そのため、プロジェクトは当初からパッケージソフトの利用が前提だった。既存システムを新しいハードやミドルウエアに移植しては、コストがかさむだけでなく「開発に2年、安定稼働までにさらに半年は掛かる」(北)と見ていたからだ。

 既存システムと同じOracleデータベースを使うことを前提に、パッケージソフトの候補に上がったのは、SuperStream(エス・エス・ジェイ製)とEBSの2つ。Super Streamの見積もりは、現行の連結会計システムで付き合いがあった電通国際情報サービス(ISID)に依頼。EBSについては日本オラクルに問い合わせた。そこで紹介されたのが、建設業向けテンプレートを持っていた日立造船情報だ。

(森重 和春)