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Linux 搭載サーバーが、IAサーバーの出荷台数の15%を占めるまでになった。ユーザー主導で浸透してきたLinuxだが、ここにきてメーカー各社が、大規模基幹システムへの適用も視野にLinux事業に本腰を入れている。市場の伸びは加速しそうだ。

図1●日本市場における主なLinux を搭載したIA サーバーの出荷台数(本誌推定)
 NECは9月27日、高信頼性が求められる基幹システムの構築にLinuxを適用するためのサービスや製品群「NEC エンタープライズLinuxソリューション for MC」を発表した。同社は今後、メインフレームACOSを含む全サーバーシリーズでLinuxをサポートしていくほか、NECグループで現在2400人いるLinux関連技術者を2005年度末までに4800人に倍増するなど体制面も強化し、2007年には、製品やサービスを含めたLinux事業で、900億円の売り上げを目指す。

 NECに限らず、メーカー各社はLinuxへのコミットを強めている。ミドルウエアやアプリケーションのLinux対応を推し進めるとともに、システム構築サービスやサポートの体制を強化している。各社とも「UNIXやWindowsと同じレベルで製品やサービス・サポートを提供できる」(日本ヒューレット・パッカードの赤井誠エンタープライズストレージ・サーバ統括本部Linux/HPTC推進本部Linux/ HPTC推進部部長)と口を揃える。

 コスト削減を目指すユーザー企業主導で、Webサーバーやメールサーバーなど、インターネットのフロントサーバーの領域を中心に普及が進んだLinuxだが、市場は一層の拡大に向け変曲点を迎えた。実際、Linuxを搭載するIAサーバーの売り上げは急拡大している。サーバーメーカー主要7社の2004年度のLinuxの出荷台数は、2003年度の5万2900台から33%増加し、7万600台に達する見込みだ(図1[拡大表示]、本誌推定、以下同)。

業務システムでの活用が進む

 台数ベースでは、Web系サーバーが引き続き大きな割合を占めるが、業務系システムへの導入も進んでいる。業務アプリケーションのパッケージ製品はまだ十分に対応していないが、Webアプリケーションサーバーやデータベースサーバー製品のLinux対応版が充実してきたことで、業務アプリケーションを自社開発する先行ユーザー企業が増えてきているのだ。

 日本オラクルでは、データベース製品の出荷本数に占めるLinux版の割合はこの1年間で倍増し、現在、約7%に達している。「レガシーシステムからの移行やサーバー統合のような比較的大規模なシステムでLinux利用が増えている」(日本オラクル)という。

 業種別では、政府や地方自治体がこぞってLinuxの採用を推し進めているほか、ここにきて金融業界での採用も相次いでいる。例えば三井住友銀行は、法人顧客向けインターネット・バンキング・システムにLinuxを採用、今年度中に稼働させる計画だ。東京三菱銀行も、銀行間の資金取引や外為円決済などを行う本部業務システムにLinuxを採用、2006年度からの運用開始を予定している。

 そのほか、科学技術計算などハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野では、構造解析や流体解析といった有力なアプリケーションのほとんどが2003年にLinuxへの対応を終えたことで、業務系システムを上回るスピードでLinuxが浸透している。

(森重 和春)


本記事は日経ソリューションビジネス2004年10月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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