3月期決算のソリューションプロバイダの2004年9月中間期決算は、前年同期に比べて売上高、経常利益は微増にとどまる低成長となった。2005年3月期は、売上高、経常利益ともに1ケタ増となる見通しだ。

表1●ソリューションプロバイダ113社(2004年3月期の売上高10億円以上)の2004年9月中間期決算(原則は連結ベース、売上高順。
 株式を上場または店頭公開しているソリューションプロバイダ113社の2004年9月中間期決算をまとめたところ、前年同期と比較可能な111社の業績は、売上高が前年同期比4.7%増、営業利益が1.0%減、経常利益が1.5%増となった(表1[拡大表示])。

 売上高と経常利益で、増収増益を達成した企業は約46%に当たる51社。一方で、減収減益となった企業は28社と全体の約4分の1を占めた。売上高が小さい企業は苦戦が際立つ。中間期の売上高100億円以上の企業58社のうち約55%の32社が増収増益、約19%の11社が減収減益だったのに対し、100億円未満の企業で増収増益は53社のうち約36%の19社にすぎず、減収減益は約32%の17社だった。

ユーフィット効果でTIS躍進

 中間期の売上高上位30社の中では、増収増益となった企業は18社と6割を占めた。減収減益は5社だった。売上高上位の顔ぶれは、1位がNTTデータ(3817億9000万円、前年同期比6.8%増)。これにCSK(1757億6500万円、同3.1%増)、ダイワボウ情報システム(1705億3800万円、同7.0%増)、日本ユニシス(1389億700万円、同1.6%増)、NECフィールディング(1182億3200万円、同2.0%減)などが続く。

 NTTデータは、連結対象子会社の増加などで増収を維持したが、営業利益、経常利益はともに下落した。これは、営業・開発力を強化するための中途採用や、新たなソリューションやサービスの開発など“成長施策”への投資のため。同社は年間150億円を投資する計画を立てている。

 CSKは、営業利益、経常利益、純利益のいずれも最高益を更新した。今期からベルシステム24が連結対象ではなくなったものの、情報システム関連アウトソーシングや金融サービスなどが好調で、中間期は増収増益を達成した。

 売上高上位の中で、特に躍進が目立ったのがTIS。売上高と営業利益ともに伸び率は30%を超え、売上高の順位は伊藤忠テクノサイエンスや日立ソフトウェアエンジニアリングを抜いて7位に浮上した。ソフト開発やソリューション事業が好調だったのに加え、今年4月に子会社化したユーフィットが営業利益で約10億円貢献するなど予想以上の成果を上げた。TISの岡本晋社長は「質、量ともに業界3位以内に入ることを目標にしている。今後もM&A(企業の合併・買収)を積極的に仕掛け、プロジェクト管理を徹底して生産性向上を図る」と意気込む。

赤字プロジェクト対策で明暗

 2004年3月期の売上高100億円以上の企業にまで広げてみると、中間期の成長性(売上高伸び率)は低い。売上高伸び率が10%を超えたのは、84社中24社だった。

 売上高の伸び率が高い企業を見ると、ネットマークス(90.8%)やTIS(33.4%)のように、やはりM &Aによる成長が目立つ。また、売上高が10%以上も落ち込んだ企業は7社にとどまり、本業で大きな成長もなければ、急激な落ち込みも目立たない。

 ここ数年の価格競争による単価下落傾向や案件の小規模化、短納期化、商談の長期化などが低成長の要因だ。日本ユニシスの島田精一社長は「IT戦略が経営戦略の中で最も重要視され、IT投資対効果の明確化が求められている。大規模案件では経営者も加わり、決定までに時間がかかる」と話す。大規模案件にしても、一括受注ではなく、いくつかに切り分けられるために案件の小規模化に拍車がかかっている。

 売上高の伸び率とは逆に、企業間で顕著な差が目立つのが、営業利益や経常利益の伸び率だ。前期は赤字プロジェクトの発生に悩まされて急激な利益下落に悩む企業が相次いだが、今期は赤字プロジェクト防止策が功を奏した企業が利益を大きく伸ばした。

(中井 奨)